伊藤潤二にWIT STUDIO、トリガー、乙一ら Netflixが新作アニメ情報発表

伊藤潤二『マニアック』

 映像配信プラットフォーム大手Netflixが、日本から発信するアニメ作品の新作情報をまとめて発表した。発表の場となったのは、2022年6月7日から11日まで5日間にわたり開催されているオンラインイベント「Geeked Week(ギークドウィーク」である。
 この3日目を「Day3:アニメーション」として、アニメーション関連タイトルの最新情報の公開を集中させた。この中で日本アニメからもこれまでほとんど明らかにされていなかった作品や、話題作の新情報などである。新作情報は2タイトル、『ムーンライズ』と伊藤潤二『マニアック』である。

 『ムーンライズ』は、予てよりNetflixのオリジナルアニメシリーズ制作で協力が発表されていた作家・冲方丁が原作のSFアクションで、『進撃の巨人』や『甲鉄城のカバネリ』のWIT STUDIOがアニメーション制作を担当する。
 舞台は緩やかな世界政府を打ち立てた未来の地球、そこでは国際AIネットワーク〈サピエンティア〉の判断が重要な役割を果たしていた。一方で地球と汚染物や犯罪者を送られ続けた月の独立戦争が生まれ、主人公のジャックはこれに巻き込まれていく。

 もうひとつ大きな発表が、今や世界で熱狂的な人気を誇る日本のホラーマンガ家・伊藤潤二氏の作品を題材にした新プロジェクト「伊藤潤二『マニアック』」だ。伊藤潤二の作品を次々にアニメ化する。制作スタジオやスタッフは今回は明らかにされていない。
 今回の映像化は3作品で、まずはデビュー作でもありお馴染みの「富江」シリーズ。「双一」シリーズは陰気な性格、常に釘を咥えている少年・双一が呪いで人々を恐怖に突き落とすもの。「首吊り気球」では「巨大なアドバルーンに首を吊られた死体がぶら下がったものが、空に浮かんでいるイメージ」から作り上げたという奇怪な設定とビジュアルをアニメで表現する。日本以上に北米などで注目される伊藤だけに、大きな注目を浴びるのは間違いないだろう。

 このほかゲーム会社CD PROJEKT REDと日本のアニメスタジオであるトリガーの共同プロジェクトである『サイバーパンク エッジランナーズ』が新ビジュアルと予告編を公開。安達寛高(乙一)と天野喜孝が参加するスペースホラー『exception』では場面写真が明らかにされた。
 アニメ映画では2部作で制作されている『七つの大罪 怨嗟のエジンバラ 前編』が、2022年12月より配信開始となる。また『異世界おじさん』の配信決定も発表された。

『ムーンライズ』
原作:冲方丁
監督:肥塚正史
制作会社:WIT STUDIO

『ムーンライズ』

『ムーンライズ』

伊藤潤二『マニアック』
原作:伊藤潤二
2023年全世界独占配信

『サイバーパンク エッジランナーズ』
監督:今石洋介
メインキャラクターデザイナー・総作画監督:吉成曜
制作:TRIGGER
2022年9月配信

『exception』
原作・脚本:安達寛高(乙一)
監督:サトウユーゾー
キャラクターデザイン:天野喜孝
制作:タツノコプロ(BAKKEN RECORD) 、5

『exception』

『exception』

『七つの大罪 怨嗟のエジンバラ 前編』
原作:鈴木央
総監督:阿部記之/監督:ボブ白旗
脚本:池田臨太郎
制作:Alfred Imageworks×Marvy Jack
2022年12月全世界独占配信

『七つの大罪 怨嗟のエジンバラ 前編』

『七つの大罪 怨嗟のエジンバラ 前編』

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