2022年5月11日、バンダイナムコホールディングス(バンダイナムコHD)は、2022年3月期の連結決算を発表した。純利益が過去最高に達するなど業績の好調ぶりを見せつけた。
業績好調を牽引したひとつが、映像やゲーム、玩具で好調が続く「ガンダム」シリーズである。決算発表に合わせて開示されたIP別売上高からもその勢いが感じられる。
バンダイナムコHDによると2022年3月期のグループ全体のガンダム関連の売上高は1017億円だった。前年950億円から7%増になった。グループ全体で1000億円を超えたのは今回が初だ。2010年前後に較べると約2倍となって、過去10年ほどでガンダムビジネスが大きく広がったことが分かる。
こうした売上はテレビアニメシリーズや劇場アニメはもちろん、ゲームやキャラクターグッズ、イベント、そしてガンプラを中心とするトイホビー(玩具)が含まれる。なかでも玩具売上高の成長は著しい。2022年の442億円は、2010年頃の150億円近辺から3倍近くに拡大したことになる。
ガンダムシリーズだけでHD全体の売上高の1割以上を稼ぎだすことになる。IP別売上高では「ドラゴンボール」の1276億円がさらに上回っているが、ガンダムシリーズは原作からバンダイナムコHDが保有している点で、重要性が高いと言えるだろう。
中長期的なビジネスにかけるガンダムへの期待も高い。2023年3月期ではバンダイナムコHDは全体では8800億円と前期比微減の売上高を計画するが、ガンダム関連では今回をさらに上回る1190億円を計画する。さらに玩具事業ではガンダムのプラモデル(ガンプラ)の生産拠点であるホビーセンターの新工場増設を発表したばかりだ。またグループのメタバースプロジェクトとして「THE GUNDAM BASE VIRTUAL WORLD」の計画も明らかにされている。中長期的にはガンダムの活用をますます広げていくことになる。