トムスの新作マンガなどを生み出すサイト「原作工房TMS-Lab」スタート

アニメーター

 アニメ製作大手のトムス・エンタテインメント(TMS)は、2022年に「原作工房TMS-Lab(ティー・エム・エス ラボ)」と名付けたサイトをスタートした。サイトではトムス・エンタテインメントが創り出したマンガや小説、ウェブコンテンツなどを紹介し、発信する。 
 TMS-Labのタイトルは社名のTMSと重なるだけでなく、Tは「Thema(テーマ)」、Mは「Message(メッセージ)」、Sは「Story(ストーリー)」を意味しているという。3つのワードがプロジェクト全体のキーワードにもなっている。

 スタート当初は、マンガ4作品が連載されている。『PLANT PLANETZ-破滅のシード-』は、「ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章」シリーズでもお馴染みの藤原カムイの最新作。覚醒バトルファンタジーとしている。『宇宙少女漂流記 THE ONLY WAY HOME』は女子高生たちの宇宙空間サバイバルストーリー、『コムニスムス』はカンボジアを舞台にした戦場サバイバルエッセイ、『ハムカツっ』は男子高校生がハムスターに転生してチューバーデビューするコメディ作品と多彩な作品が並んだ。
 このなかの3作品はタテ読みスタイルで、ウェブ動画でも視聴可能だ。またTwitterでも積極的に作品を配信。さらに外部サイトへの配信もしている。コンテンツの創出だけでなく、マンガの新しい読みかた、読者への届けかたも探っている。

 TMS-Labの目的は、自社オリジナルコンテンツの開発の場づくりにあるようだ。サイトでは作品の発信と同時に、Labで協業して新規作品を創るクリエイターや企業の募集も実施している。求めるクリエイターはマンガ家や文筆家、アニメーター、デザイナー、ディレクターと幅広い。一方で企業は業種を問わず、IP企画・制作に参加できる企業としている。
 外部クリエイターや企業と協業してオリジナルの作品を開発・制作し、さらにそれを拡散することを目指す。さらに成功すれば、作品単体だけでなくアニメ化をはじめとしたマルチ展開も視野に入ってくるだろう。老舗アニメ製作会社の新たな挑戦が、どのように育っていくのか注目される。

原作工房 TMS-Lab  https://tms-lab.co.jp/

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