大ヒット映画『劇場版 呪術廻戦 0』の米国上陸スケジュールが固まった。テレビシリーズでも北米展開している米国のアニメ配給会社クランチロールは、2022年3月18日に本作を米国とカナダで全国公開すると発表した。国内でも2021年12月24日に公開したばかりだけに、いち早い公開決定である。
公開劇場数は1500以上、IMAXシアターでの上映も予定している。上映にあたっては英語吹替え版のほか、コアなファンからニーズの高い英語字幕版も用意する。幅広いファンにアピールすることになる。コロナ禍ということもあり米国での日本アニメの配給も減少気味で、現地のアニメファンにとっても待望となりそうだ。
『呪術廻戦』は芥見下々が2018年より「週刊少年ジャンプ」に連載する人気マンガだ。人間が生む負の感情から生じる呪いを祓う高校生・虎杖悠仁らの戦いを描く。これを原作に2020年10月から半年にわたりテレビアニメシリーズが製作された。原作、アニメともすでに北米で高い人気を獲得している。
『呪術廻戦 0』は本編の中のキャラクターのひとり乙骨憂太を主人公に、その前日譚を描いた。映画は公開1ヵ月あまりで興行収入100億円突破目前と空前の大ヒットしている。北米でも大きな成果が期待される。
気になるのは公開決定のニュースの一方で、実際に映画公開のビジネスを進める配給会社が発表されていないことだ。1500館以上の公開は大きく、人気の盛り上がる日本アニメでもここ数年は『鬼滅の刃」無限列車編』、『竜とそばかすの姫』、『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールド ヒーローズ ミッション』などに限られている。
クランチロールは動画配信が中心の企業だけに、自社配給には体力が十分でないとみられる。昨年ソニーグループ傘下になったことから、ソニー・ピクチャーズ系のファニメーションが担当することもありそうだ。ファニメーションは『鬼滅の刃」無限列車編』のほか、『呪術廻戦 0』と同様に東宝アニメーションが製作の中心である『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールド ヒーローズ ミッション』の配給も手がけている。