ハピネット第1Q減収減益 映像・ゲーム苦戦、自主作品で損失計上も

ファイナンス決算

エンタテイメント関連商品卸売の大手ハピネットの2017年3月期は、厳しいスタートとなった。8月9日に発表された第1四半期決算は、映像音楽事業とビデオゲーム事業で赤字となったほか、玩具事業とアミューズメント事業で、減収減益だった。
連結売上高は327億5700万円(12.2%減)、経常利益は1億5200万円(80.4%減)、経常利益は9500万円(87.9%減)である。また四半期純利益は2600万円の損失だった。

玩具事業は売上高143億円(6.0%減)、営業利益は2億8400万円(46.6%減)である。業績の柱となっているが利益は大きく減少している。同社の取扱いの大きかったヒット作『妖怪ウォッチ』の勢いが衰えていることも響いているとみられる。
映像音楽事業は売上高81億3800万円(5.4%減)、営業損失5400万円と赤字になった。主力のパッケージ商品が低調であったのに加えて、自社作品で投資損失を計上したことも響いた。
ビデオゲーム事業もパッケージ商品の低迷が影響した。売上高は58億3200万円(27.3%減)、営業損失は前年同期の5800万円から1億2900万円に拡大している。アミューズメント事業は売上高44億8700万円(17.8%減)、営業利益は3億4500万円(39.8%減)。

ハピネットが得意としてきた映像・音楽、そしてビデオパッケージの不振は同社固有の課題というよりも、市場全体の潮流である。今後、劇的な改善はなかなか困難となる。
今後は、会社の強みを活かしながらの事業多角化が必要になるだろう。すでに手掛けているアニメや映画などの製作出資もそのひとつである。さらに2015年12月に株式取得を通じて、持分法適用関連会社としたエンタテイメントの企画開発・商品展開のブロッコリーとのシナジー効果をどう発揮するかも鍵となる。

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