アニメ制作大手のIGポートは、2023年1月13日に23年5月期第2四半期決算を発表した。売上高利益はほぼ前年並みだった。連結売上高は56億2200万円で0.6%増、営業利益は4億7600万円(8.9%減)、経常利益は5億1300万円(0.3%増)、当期純利益は3億8200万円(9.0%増)である。
アニメを中心とした映像制作事業、出版事業、版権事業いずれも利益をだしており、バランスのとれた業績になっている。特に前年同期は8100万円の赤字であった映像制作事業が5300万円の黒字に浮上している。
映像制作事業の主要タイトルは、WIT STUDIOが制作する『SPY × FAMILY』やプロダクション I.Gによる『蒼穹のファフナー BEHIND THE LINE』などだ。一部の作品では制作期間の長期化や外部クリエーターへの支払額の高騰などで依然制作赤字となっているとするが、売上高は31億6500万円(14.7%増)、営業利益の黒字化に成功した。
一方、版権事業は売上高8億5400万円(37.1%減)、営業利益は1億6800万円(49.0%減)の減収減益だった。前年にあった大型案件に相当するものがなかった。しかし『SPY × FAMILY』の国内外の配信・ライセンス収入が好調だとしている。その他の主要な作品は、『進撃の巨人』、『銀河英雄伝説 Die Neue These』、『攻殻機動隊』、『ハイキュー!!』などになる。
出版事業は売上高14億3900万円(6.1%増)、営業利益は3億円16.2%減)とだった。電子書籍が好調で利益率も高くなっている。主力タイトルは『リィンカーネーションの花弁』、『魔道具師ダリヤはうつむかない ~Dahliya WiltsNoMore~』だ。
IGポートは決算に合わせて、業績予想の修正も発表している。売上げを116億1300万円から109億7400万円に引き下げる一方で、利益を大きく引き上げる。営業利益は4億2500万円から7億9500万円に、経常利益は4億7900万円から7億6600万円へ、そして当期純利益は3億5600万円から5億200万円にそれぞれ変更される。
利益の拡大は、電子書籍や版権事業の売上が当初の予想を上回る見込みのためだ。アニメについては直近の新作のヒットの貢献が大きそうだ。