日本アニメが6作品、米国アカデミー賞、長編アニメーション部門の選考対象発表

米国アカデミー賞長編アニメーション部門

 2021年12月6日、米国の映画芸術科学アカデミーは、2021年公開映画を対象とした第94回アカデミー賞のうち長編アニメーション賞・長編ドキュメンター賞、国際映画賞の選考対象作品を発表した。協会が要求する要件を満たし、製作会社・配給会社などからエントリーのあった作品だ。
 このうち長編アニメーション部門には26作品、長編ドキュメンター部門には138作品、国際映画部門には93ヵ国から提出された各1作品が選考対象として決まった。

 長編アニメーション部門には、ディズニーやピクサーの3DCGの大作『ミラベルと魔法だらけの家』や『あの夏のルカ』などの他、米国やそれ以外の国のアート系・インディペンド系・アダルトアニメーションなど様々なジャンルの作品が並ぶ。
 それでも近年は30本前後から、さらにそれよりも作品が多い年もあったなかで、26作品と少なめになった。2021年の対象が3月から12月になっているのに加え、米国での大作劇場公開の減少や海外作品のエントリーが少なかったのが理由だ。注目が増している中国作品の応募はなかった。
 
 そのなかで存在感が大きいのが、日本アニメだ。エントリー対象となったのは、『竜とそばかすの姫』『漁港の肉子ちゃん』『ジョゼと虎と魚たち』『宇宙の法-エローヒム編-』『映画大好きポンポさん』『えんとつ町のプペル』の6作品と全体の1/4近くにも達する。作品の評価の高さだけでなく、昨今の日本アニメ人気による米国公開の増加も影響していそうだ。
 またフランスの『神々の山嶺(The Summit of the Gods)』は、日本のマンガ家・谷口ジローの作品を原作としている。カンヌ国際映画祭でプレミア上映された話題作である。
 映画芸術科学アカデミーは、26作品のうち現段階で求めるエントリー条件を満たしていない作品が複数あるとしている。今後、エントリー数が減る可能性もある。

【第94回アカデミー賞 長編アニメーション部門選考対象作品】
『アダムス・ファミリー2』
『The Ape Star』 
『Back to the Outback』
『竜とそばかすの姫』
『Bob Spit – We Do Not Like People』 
『ボス・ベイビー ファミリー・ミッション』
『Cryptozoo』
『ミラベルと魔法だらけの家』
『Flee』
『漁港の肉子ちゃん』
『ジョゼと虎と魚たち』
『宇宙の法-エローヒム編-』
『あの夏のルカ』
『ミッチェル家とマシンの反乱』
『My Sunny Maad』
『パウ・パトロール ザ・ムービー』
『映画大好きポンポさん』
『えんとつ町のプペル』
『ラーヤと龍の王国』
『ロン 僕のポンコツ・ボット』
『SING/シング: ネクストステージ』
『The Spine of Night』
『スピリット 未知への冒険』
『神々の山嶺』
『ビーボ』
『ウィッシュ・ドラゴン』

 今後の選考だが長編アニメーション部門は、短編アニメーション賞やVFX賞、長編ドキュメンター賞、国際映画賞のようにノミネート前に絞り込んだ作品(ショートリスト)は作成しない。26作品の中から投票により、いっきにノミネート5作品に絞り込む。
 映画芸術科学アカデミーの短編アニメーション分科会と長編アニメーション分科会のメンバー、それに選考作品を鑑賞していることを条件に他の分科会のメンバーも投票することが可能だ。また選考対象となった作品は、アニメーション部門だけでなく作品賞をはじめとする他の賞でも自動的に選考対象となる。
 ノミネート投票は2022年1月27日スタートし2月1日に〆切り。2月8日にノミネートが発表される。さら最終投票により、3月27日に各賞の発表となる。

米国映画芸術科学アカデミー
https://www.oscars.org/

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