米国アカデミー賞アニメ部門、日本勢ノミネート逃す Netflixから2作品

米国アカデミー賞長編アニメーション部門

 米国の映画芸術科学アカデミーは、1月13日に第92回米国アカデミー賞の各部門のノミネート作品を発表した。長編アニメーション部門に選ばれたのは5作品、『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』、『失くした体』、『クロース』、『Missing Link』、『トイ・ストーリー4』だった。
 今回は史上最多の32作品がエントリーする大激戦のなかから最優秀賞を目指し、まず5作品が足を一歩進めた。日本から『天気の子』、『プロメア』、『海獣の子供』、『若おかみは小学生!』がエントリーしていたがノミネートには届かなかった。またアニメーション映画で世界興行歴代1位となった『アナと雪の女王2』も、この段階で選考に残らなかった。

『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』は、ドリームワークス・アニメーションの人気シリーズの第3作目、今回が完結編にあたる。シリーズのなかでも高い評価を受けた。『トイ・ストーリー4』もシリーズ4作目にして完結編、こちらはピクサー・アニメーションが制作している。
 今年の大きな話題を呼びそうなのは、Netflixの関連作品が2つ選ばれたことである。『クロース』はサンタ・クロースの誕生秘話を描いた2D作品で、Netflix初の長編オリジナルとして力を入れていた。フランスの『失くした体』はカンヌ映画祭批評家週間、アヌシー国際アニメーション映画祭のグランプリ作品で、Netflixがいち早く世界配給を獲得したことで話題を呼んだ。いずれも公開上映は短期間で、すぐにネット配信がスタートしただけに、実写映画でもノミネートが相次いだ他のNetflix作品と同様に、今後議論を呼びそうだ。
 『Missing Link』は、ストップモーションの名門ライカの最新作。ヒマラヤの雪男を巡る冒険を得意の人形を使ったキャラクターで表現する。

 短編アニメーション部門は対象作品からすでに10作品のショートリストまで絞り込まれていたが、さらにそこから5作品が選ばれた。『Dcera (Daughter)』(Daria Kashcheeva・チェコ)、『Hair Love』(Matthew A. Cherry、Everett Downing Jr.、Bruce W. Smith・米国)、『Kitbull』(Rosana Sullivan・米国)、『Memorable』(Bruno Collet・フランス)、『Sister』(Siqi Song・中国/米国)である。
 5作品のうち『Dcera』、『Memorable』、『Sister』の3本がストップモーションで、近年のコマ撮りアニメーションの勢いを示した。また『Hair Love』とピクサー・アニメーションの『Kitbull』は2Dで表現した作品。3Dを押し出した作品はなくアニメーション制作の新しい潮流を感じさせる。

 今後は映画芸術科学アカデミーの全ての会員の投票により、各部門から優秀賞が決定する。2月9日にハリウッドのドルビーシアターで開催される授賞式の場にて、発表される。

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