イマジカ・グループ、米国ローカライズ会社SDIを同業大手に売却

ファイナンス決算

 2021年1月22日、映像関連事業の大手IMAGICA GROUP(イマジカ・グループ)は、完全子会社で米国・ロサンゼルスに本社を持つSDI Media Group,Inc.( SDIメディア)を売却することを明らかにした。スウェーデンに本社を持つ同業大手のIYUNO Media Groupに、保有全株式を譲渡する。
 譲渡には米国関連当局の許可が必要で、譲渡日は定まっていない。このため譲渡価額も現時点で確定しておらず、確定次第の発表になる。

 SDIメディアは映像コンテンツの吹替えや字幕といったローカリゼーションンの大手で世界28 ヶ国、80 カ国語以上でサービスを提供している。イマジカ・グループは、2015年2月にクールジャパン機構(株式会社海外需要開拓支援機構)、住友商事と共同でSDIメディアを総額140億円で買収していた。SDIメディアの事業と映像のポストプロダクションに強いイマジカ・グループとのシナジー効果を期待していた。
 しかし買収後は、SDIメディアの事業再構築に手間取り、業績が振るわず、シナジー効果も限定的であった。イマジカ・グループはクールジャパン機構と住友商事から株式を買い取り、完全子会社として再建を目指していた。

 一方でイマジカ・グループは、2020年10月にローカライズ事業とディストリビューションサービスの双方に実績のあるPixelogic Holdingsを連結子会社としている。Pixelogicはローカライズ に加えて、データ作成、品質チェック、納品作業、工程管理とった事業も手がけている。
 ローカライズ事業が重複することになったが、SDIメディアを手放すことで事業の再構築を決断したかたちだ。

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