2021年8月5日に発表されたバンダイナムコホールディングス(バンダイナムコHD)の2022年第1四半期(1年4月~6月)がかなり好調だ。連結売上高が前期同期比で22.8%増と大幅に伸びて1780億4900万円となったが、これはコロナ以前の20年度、21年度も大幅に上回る水準だ。営業利益も270億2100万円(35.7%増)、経常利益は287億5400万円(40.9%増)、当期純利益は209億1700万円(58.7%増)と伸びが大きい。
堅調な業績を背景に、バンダイナムコHDは第2四半期連結決算予想も上方修正した。売上高は3500億円から3800億円に営業利益は350億円から430億円に、経常利益は355億円から460億円に、当期純利益は250億円から325億円にそれぞれ引き上げる。
通期予想については据え置いた。国内外での新型コロナウイルス感染拡大の状況が不透明なこと、年末年始商戦や家庭用ゲーム大型タイトル発売がありその動向を見極めるためである。
ガンダム関連商品が牽引したトイホビー事業、アニメに関連する企画・制作や映像音楽の映像音楽事業、クリエイション事業の好調が業績を持ち上げている。前年同期比で減収減益であったデジタル事業をカバーした。
デジタル事業は家庭用ゲームやスマホアプリなど、ゲーム事業全体を包括する。家庭用ゲームの新タイトル『SCARLET NEXUS』が好調で、既存タイトルのリピート販売も813万本と高水準となった。しかし巣ごもり需要で昨年好調だったネットワークコンテンツが前年を下回った。
売上高は668億3400万円(12.6%減)、営業利益は118億2700万円(39.0%減)。減収減益であったが、利益は高水準を維持している。
アミューズメント事業の売上高は152億2100万円(130.5%増)、営業損失が6億6200万円(前年同期56億6300万円の損失)だ。売上は急回復したが、依然、新型コロナウイルス感染拡大による影響は厳しく、赤字から脱せなかった。
トイホビー事業の売上高は830億5900万円(50.1%増)、営業利益144億9800万円(125.3%増)と急伸した。特にガンプラやフィギュアなど大人層に向けた商品がデジタル販売、海外でも好調だった。さらに『鬼滅の刃』商品の人気が続き、カプセルトイ、北米向けの「デジモン」のトレーディングカードなども主力となった。
ガンダム関連の売上はトイホビー事業だけで118億円で19%増、グループ全体でもも240億円になる。通期ではガンダムだけで初の1000億円越えを目指す。
ガンダムが強かったのは、アニメ制作サンライズもあるクリエイション事業もだ。「ガンダム」シリーズ制作や公開を積極的に手がけたほか、商品化権収入が好調となった。直近では『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』が興行収入 20 億円を超える成績となった。「ラブライブ!」シリーズも話題となった。売上高は73億400万円(57.8%増)、営業利益は8億2800万円(1.7%増)だ。
バンダイナムコアーツが中心となる映像音楽事業は、売上高120億1200万円(121.6%増)、営業利益は23億6200万円(732.3%増)と特に伸びが大きい。前年の新型コロナ感染症拡大の影響から急回復した。
「ラブライブ!」シリーズや「アイドルマスター」シリーズを中心に映像・音楽パッケージソフトの販売したほか、ライセンス収入が伸びている。期中には話題のストップモーションアニメ『PUI PUI モルカー』の映像パッケージやトイホビー商品と新しい動きもあった。ライブイベントも配信や新技術の活用をする一方で開催回数も増加した。