「おそ松さん」映像パッケージ好調、エイベックス第2四半期は増収増益

ファイナンス決算

音楽・映像エンタテイメントの大手エイベックス・グループ・ホールディングスは、11月10日に2017年3月期第2四半期決算を発表した。連結売上高が756億4800万円(10.3%増)と前年同期比で2ケタの伸びとなり、利益も急伸した。
営業利益は29億6700万円(110.2%増)となったほか、2億100万円だった経常利益は24億5500万人に、3億800万円の当期純損失は6億7200万円の当期純利益に浮上した。特にBlu-ray/DVDといった映像パッケージ販売や、音楽ライヴが売上全体を牽引した。

とりわけ好調だったのが、映像パッケージ販売である。前期同期の売上が51億円だったのに対して、今期は103億円と倍以上になり、売上総利益も19億円から44億円に急拡大している。Blu-ray/DVDの売上枚数は58万4000枚。上期には『おそ松さん』や『劇場版KING OF PRISM by PrettyRhythm』、『暗殺教室』などの人気作の商品が発売されている。個別タイトルでは、一大ブームを巻き起こした『おそ松さん』の貢献が大きかった。
一方、映像配信はUULAの有料会員数が減少し、dTVの会員数も伸び悩んでいることから売上146億円と9%減少した。ただし、販売促進費が減少しており、総利益は22億円(19%)を確保している。映像事業全体の売上は228億円(18.8%増)、売上総利益57億円(85%増)である。

マネジメント/ライヴ事業は売上高302億円(14.4%増)、売上総利益71億円(2.4%増)。ライヴではスタジアム、アリーナ公演が前年比で減少したが、ホール・ライヴハウスの大幅増でこれをカバーして、観客動員数は141万人と前年同期より27万人増えている。
またライヴなどでの商品販売にあたるマーチャンダイジングの伸びが大きかった。前年同期の57億円から67億円と16.4%の伸びとなった。利益も22億円から26億円の19.1%増と存在感が大きい。

音楽事業は軟調だった。とりわけ音楽パッケージ(CD)が振るわず、売上高は7.2%減の144億円、利益は43億円で26.2%減である。音楽配信も売上は57億円から59億円に増えたが、利益は30億円から29億円に減少した。音楽事業全体では売上は237億円(4.1%減)、利益は81億円(16.5%減)の減収減益である。
映像事業、マネジメント/ライヴ事業の伸長により、売上高に占める音楽事業の割合は第2四半期までで30%と1/3を割り込んだ。同社は2020年までの成長戦略に「ライヴ」「アニメ」「デジタル」への選択と集中を掲げており、すでにそうした方向に進んでいることが分かる。

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