総合エンタテイメント企業のバンダイナムコホールディングス(バンダイナムコHD)が、組織再編に乗り出す。現在の「トイホビー」「ネットワークエンターテインメント」「リアルエンターテインメント」「映像音楽プロデュース」「IP クリエイション」の5ユニット体制を、3ユニットに統合再編する。
「トイホビー」と「ネットワークエンターテインメント」の統合ユニット、「映像音楽プロデュース」と「IP クリエイション」の統合ユニット、それに「リアルエンターテインメント」の3つである。新体制スタートは2021年4月からを予定している。
新統合ユニット2つの名称は現段階では定まっていない。また各ユニットの主幹企業がどこになるのかも、明らかにしていない。
現在は「トイホビー」の主幹会社は玩具のバンダイ、「ネットワークエンターテインメント」はゲームのバンダイナムコエンターテイメント、「リアルエンターテインメント」はバンダイナムコアミューズメント、「映像音楽プロデュース」はバンダイナムコアーツ、「IP クリエイション」はサンライズとなっている。いわばバンダイとバンダイナムコエンターテイメントがひとつに、バンダイナムコアーツとサンライズがひとつのユニットになるかたちだ。
ユニットの統合には、近年の各社事業の多角化に理由がありそうだ。玩具事業ではおもちゃのデジタル化が進みネットワークとの境界が曖昧になっている。同時にゲーム側ではゲーム発のキャラクターの商品展開が活発だ。
アニメを中心とする「映像音楽プロデュース」と「IP クリエイション」でも、配信やイベントなどが両部門で重なっている。さらにバンダイナムコアーツがアニメーション制作のアクタスを子会社化するなどユニットを超えた重複事業が拡大している。アニメ製作投資もバンダイナムコアーツとサンライズで行っている。ユニットを統合することで決算上の事業区分を分かり易くするだけでなく、各社間の連携を強める狙いがありそうだ。
バンダイナムコHDは、さらにユニット再編に合わせた各ユニット所属の子会社の組織再編もするとしている。来年春に向けてドラスティックな動きもありそうだ。