エイベックス第1Q業績回復で黒字化 アニメ・映像は売上げ31%増

ファイナンス決算

 音楽・映像事業のエイベックスの業績が回復基調にはいった。2021年8月5日に発表された22年3月期第1四半期の連結決算が37.6%の増収で194億1700万円になったほか、前期の赤字から黒字に転換した。営業利益は2億6200万円、経常利益は2億800万円、当期純利益は1100万だった。
 前期は新型コロナ感染症の広がりでライブ公演の中止などで打撃を受けたが、音楽パッケージの販売やライブ・イベントの公演の回復で売上げと利益が伸びた。

 エイベックスの主要事業のひとつであるアニメ・映像も伸びた。売上高は24億5800万円、前年比で31.8%増。営業利益は2300万円から2億9900万円となった。配信ビジネスとイベント・ライブが増加している。
 期間中の主要タイトルは『ゾンビランドサガ リベンジ』で、「ゾンビランドサガLIVE〜フランシュシュ LIVE OF THE DEAD “R”〜」と「ゾンビランドサガ リベンジ SAGA.1」のBlu-rayとDVDがリリースされている。『ゾンビランドサガ リベンジ』7月、8月にも続巻のリリースを予定している。

 主力の音楽事業の売上げは127億2800万円(72.7%増)と急伸し、営業利益は7億6400万円のマイナスから7億5600万円になった。與真司郎、宇野実彩子、Da-iCEなどのライブを実施した。
 デジタル・プラットフォーム事業は不調だった。映像配信向けの販促宣伝費が増加したとしている。売上は53億6800万円(3.1%増)、利益面では赤字転落となり2億4500万円の営業損失を計上している。

 第2四半期以降は、新型コロナ感染症に関する緊急事態宣言が続くなど、環境は依然厳しい。そのなかで第三者割当のよるサイバーエージェントに対する自己株式の売却や本社ビルの売却、本社移転決定などで、経営体質の強化を進めている。コロナ後の成長も視野にいれていそうだ。

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