WIT STUDIO「とつくにの少女」が短編からさらに長編、クラファンも開始

『とつくにの少女』

 WIT STUDIOがアニメーション制作をし、国内外の映画祭で高い評価を受けた短編アニメ『とつくにの少女』が、さらに長編アニメとなることが明らかになった。制作にあたってはWIT STUDIOだけでなく、久保雄太郎、米谷聡美のふたりが引き続き監督が担当する。
 長編は2022年3月にマッグガーデンから発売される単行本番外編のOADとして同梱される予定だ。原作は2021年3月5日に発売された雑誌「月刊コミックガーデン」で連載最終回を迎えたばかりだ。フィナーレに相応しい大きな企画となりそうだ。

 『とつくにの少女』は、2015年からマンガ家ながべ が、「月刊コミックガーデン」に連載するダーク・ファンタジーだ。絵本や詩集を思わせるような世界観が特徴になっており、隔たれた世界に住む異形の者と人間との物語だ。
 この世界観を10分弱のアニメーションとして最大限に魅力を引き出したのが、インクを多用する手描きの短編で活躍する久保雄太郎氏とやはりパステルで手描きで作品を作り上げる米谷聡美氏である。もともと映画祭などを活躍の場としていたふたりだが、『とつくにの少女』のアニメは単行本第8巻の初回限定版に同梱された。制作のWIT STUDIOは商業アニメの人気スタジオだから異色のコラボレーションである。

 その後作品は、オタワ国際アニメーション映画祭のオフィシャルコンペティションをはじめシュトゥットガルト(ドイツ)、ファンタジア(カナダ)、シッチェス・カタルーニャ(スペイン)といった海外の著名映画祭や、新千歳空港国際アニメーション映画祭、広島国際アニメーションフェスティバルでも上映されてきた。日本のアニメスタジオから飛び出した異色作として注目されてきた。
 これらを背景に長編アニメーション化が決定したかたちだ。短い映像からどんな大きな物語、映像になるのかに期待が集まる。

 また長編制作にあたっては、WIT STUDIOが主催するクラウドファンディングが3月10日からKickstarterより始まる。目標金額は300万円で、ファンからの協力を得ることで本編制作のクオリティアップ、プロモーション費用の拡充を目指す。
 クラウドファンディングにはWIT STUDIOのほか、原作出版のマッグガーデン、アニメ企画のツインエンジン、アニメ配信プラットフォームのクランチロールも協力する。

『とつくにの少女』
https://totsukuni.com

『とつくにの少女』長編アニメーション制作プロジェクト
https://www.kickstarter.com/projects/witstudio/totsukuni

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