大阪に本社を持つ朝日放送グループホールディングス(朝日放送HD)が、ライセンス・コンテンツ事業の子会社を2021年4月1日付で再編する。現在は関連事業を統括する中間持株会社ABCフロンティアホールディングスの下にABCインターナショナル、ABCライツビジネス、ABCアニメーションの3社があるが、中間持株会社の機能を廃止し、朝日放送HDが直接、事業会社を傘下にする。
ABCインターナショナルはグループ企業が制作した番組や番組のコンセプトであるフォーマットを海外企業に販売する、海外向けの事業会社である。ABCライツビジネスは、グループが生み出した作品やキャラクターの物販やライセンス販売をする。いわばインターナショナルが海外向けに、ライツビジネスが国内向けにライセンス事業をしているかたちだ。
ABCアニメーションは、アニメ番組の企画・製作会社だ。「プリキュア」シリーズや『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』、『Free!』といった代表作がある。
再編にあたっては、ABCフロンティアとABCインターナショナル、ABCライツビジネスの3社が合併する。合併後の存続会社はABCフロンティアで、同社が海外ライセンス、国内物販・ライセンスの全てを担当する。
一方でABCアニメーション全株式の保有は、朝日放送HDに移る。ABCフロンティアとは別に持株会社が直接傘下に置く。ビジネスのボリュームの大きなアニメ事業会社を別に切り分けたかたちである。
朝日放送HDは今回の再編について、グループが保有するコンテンツIPの二次利用促進のためと説明する。関連事業の競争は近年より増しており、放送、配信、海外販売、物販、イベントなどのコンテンツIPのマルチ展開の強化が必要不可欠であり、効率的な経営体制が必要だという。
放送外事業の強化に積極的な朝日放送HDならの、攻めの戦略のひとつと言えそうだ。