メディアドゥ、M&Aなど目的に新株予約権で100億円調達

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 デジタル書籍事業の大手メディアドゥが、事業成長を目的に新株予約権を利用した資金調達を実施する。2020年10月13日の取締役で決議、11月4日付で総額2557万6628円の新株予約権を発行する。資金調達価額は10月12日現在の株価に基づくと約100億円になる。権利は第三者割当でみずほ証券が引き受ける。
 今回の新株予約権の仕組みはやや複雑だ。みずほ証券は2020年11月5日から22年11月4日の2年間の間に新株予約権を行使することでメディアドゥの株式取得ができる。メディアドウはみずほ証券の払込みにより資金調達をする。通常の新株予約権は条件が整えば引き受けが行使の判断が出来るが、今回の取引ではメディアドウの許可がなければ行使できない。メディアドウのイニシアチブが大きく設定された。

 メディアドゥの株価は今年初めには2000円まで下がっていたが、好調な業績に支えられ、現在は8000円台まで上昇している。それでも時価総額は1200億円程度、100億円の新株発行は大きい。
 それでもあえて100億円の資金調達に踏み切るのは、成長する電子書籍市場での投資機会を失わないためだ。

 調達資金のうち75億円を企業買収などのM&A、資本業務亭駅に投じるとしている。これまでも出版デジタル機構、ジャイブ、アルトラエンタテインメントなどの企業買収が事業成長・拡大のエンジンになってきたが、それをさらに加速する。今後電子書籍は市場の拡大と成長、成長期特有の過当競争から成熟へ向うと見られる。このなかでビジネスをリードする存在となることが予想され、メディアドゥの動向は見逃せなくなる。
 残り25億円は新システム追加開発、ブロックチェーンを用いた新たなプラットフォーム構築、電子書店事業の広告投資と向けるとしている。既存事業の足元を固めることで競合他社に対する優位を維持する構えだ。

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