ディズニー、XDチャンネルなど放送終了、動画配信サービスも再編集約

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 米国の大手メディア企業ウォルト・ディズニーは、2020年10月12日にメディア部門とエンタテイメント部門の大規模な事業再編を発表した。有料加入者の拡大が続く映像プラットフォーム(動画配信事業)の重視と組織再編が軸となっている。
 本国だけでなく、日本法人の事業でも再編が発表されている。なかでも有料放送チャンネルの削減と配信サービスの集約が大きい。グループの有料放送チャネルでは、「ディズニーXD」「ナショジオ ワイルド」「FOXムービー」の3つが2021年1月31日でサービスを終了する。また動画配信では「マーベルDX」「スター・ウォーズDX」の2つのアプリのサービス提供を終了、「Disney DELUXE(ディズニーDX)」に統合する。

 有料チャンネルの削減は、2019年にディズニーが20世紀FOXの事業買収を実施したこと、さらに家庭での番組視聴が映像配信プラットフォームにシフトしているのが理由と考えられる。ディズニーと旧20世紀FOXの有料チャンネルは合計で7チャンネルに及び、さらに春までは無料の衛星放送チャンネル「DLife」もあった。
 「DLife」はすでに2020年3月31日で放送を終了している。2021年2月以降は、「ディズニー・チャンネル」「ディズニージュニア」「FOX」「ナショナル ジオグラフィック」の4チャンネルに放送事業が集約される。

 「ディズニーXD」は少年向けの専門チャンネルとして、日本では2009年に放送を開始した。スポーツやアニメーション、ゲーム、ドラマなどを中心に編成している。スポーツ関連を中心に日本アニメも多く放送する。『イナズマイレブン』や『テニスの王子様』『おおきく振りかぶって』、さらに『電脳コイル』『ケロロ軍曹』などがある。「ディズニーXD」の役割は、今後は「ディズニー・チャンネル」「ディズニージュニア」が一部を担うことになりそうだ。
 同様に「ナショジオ ワイルド」は「ナショナル ジオグラフィック」へ、「FOXムービー」は「FOX」へと、それぞれの総合チャンネル機能を集めることになる。
 
 テレビ放送だけでなく、動画配信も広がり過ぎたサービスの集約に動いている。ディズニーとNTTドコモの共同事業である「マーベルDX」「スター・ウォーズDX」が、10月6日より「ディズニーDX」に統合された。ディズニーDXはディズニー、ピクサー、マーベル、スター・ウォーズの広い作品のデジタルコンテンツを定額課金で提供する。スタジオブランドごとのサービスから、ディズニー全体の作品を網羅する。
 一方で同じ定額課金サービスの「Disney+」と「ディズニーDX」の並存は続く。今後は両サービスの棲み分け、役割分担が鍵になりそうだ。

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