キッズアニメ権利者が一同参加、YouTube専門チャンネル「AnimeLog」開設

「AnimeLog(アニメログ)」

 YouTubeをプラットフォームに、国内の幅広いファミリー・キッズアニメを集めた専門チャンネルが2020年8月7日にオープンした。インフルエンサーエージェント事業のアナライズログが運営する「AnimeLog(アニメログ)」である。
 アナライズログは国内有力コンテンツ企業と連携することで、「AnimeLog」に幅広いテレビアニメを並べる。ワンストップで権利会社の垣根を超えた作品が楽しめるチャンネルを目指す。視聴は全て無料、スタート段階では『未来少年コナン』や『鉄腕アトム』、『母をたずねて三千里』などの傑作が並んだ。

 今回注目されるのは、アナライズログが運営することで権利保有の複数大手企業が番組を提供することだ。スタート開始時の日本アニメーション、手塚プロダクションに加えて、今後は東映アニメーション、小学館集英社プロダクション、シンエイ動画、講談社も参加を予定している。かなり強力な布陣だ。
 このうち東映アニメーションとシンエイ動画、それに小学館は、アナライズログと資本業務提携をしている。権利元企業とがっつり手を組んだ大掛かりなプロジェクトである。

 昨今アニメ番組の視聴では、配信がトレンドになっている。これまでのテレビ視聴の利用の一部が配信に移動している。ビジネスとしてはNetflixやHulu、Amazon プライム ビデオといったサブスクリプション型(定額課金見放題)の映像プラットフォームがとりわけ注目されている。
 しかしサブスクリプション型への注目の一方でそれ以外の配信視聴のビジネスの可能性が見落とされがちだ。代表的なのが主に広告収入でビジネスを運営するYouTubeである。今回「AnimeLog」はこれを基盤にする。特にキッズ・ファミリーアニメのターゲットになる未就学児やキッズのYouTubeの視聴・利用は急拡大しているとされるが、これを積極活用する。
 
 アニメ関連各社は、これまでも自社のYouTube公式チャンネルを保有している。そこで敢えて「AnimeLog」に参加するのは、業界横断型というビジネスへの期待である。
 視聴ターゲットの共通する番組が集まることで、業界を代表するプラットフォームを育て、より多くのユーザーをそこに集める仕掛けだ。他社作品はライバルではあるが、作品が増えれば増えるほど全体として視聴者の吸引力を発揮するのでメリットは大きい。

 運営のアナライズログのビジネスノウハウに対する期待もありそうだ。人気キッズYouTuberのマネジメントも行うアナライズログであれば、アニメだけでなくYouTuberからのユーザー導線確保も可能であるからだ。アナライズログは、開設後2年以内にチャンネル登録者数100万人、月間3億ビューを目指すという。
 登録者数や視聴者数が増加すれば、オリジナルコンテンツ開発や課金プログラムなどのさらなるビジネス展開も可能になるだろう。すでに次の展開として英語・中国語字幕などの多言語対応を視野に入れている。日本だけでなく、グローバル展開も狙う。

「AnimeLog(アニメログ)」
https://www.youtube.com/channel/UCsnDtu-g18tDA4miToMOjXQ

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