映画大手の東映の2022年3月期第1四半期の業績が増収増益となり、新型コロナ禍の打撃から回復軌道に乗りつつある。
2021年8月12日に発表した決算では、期間中の売上高は258億500万円で前年同期比22.8%増となった。また営業利益は37億3500万円(48.4%増)、経常利益は50億400万円(52.5%増)、当期純利益は18億5000万円(207.3%増)と利益も大きく伸びた。
主力の映画関連事業が堅調で、売上高が203億2200万円(10.6%増)、営業利益は46億2600万円(8.7%増)となった。前期に公開、配給する『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が大ヒットになった。同作は東宝・カラーとの共同配給だが、興行収入は100億円を超えた。このほか期間中は『いのちの停車場』『胸が鳴るのは君のせい』などを配給している。
また連結子会社の東映アニメーションにあたるアニメ事業では、『ドラゴンボール』のゲーム化権販売、『スラムダンク』のアプリゲーム、『ドラゴンボール』『ワンピース』『デジモンアドベンチャー』の商品化権販売が好調だった。
興行関連事業も前年同期の7倍以上となる25億8800万円となったが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で依然低調であった。幅は縮小したものの引き続き営業損失を2億7000万円計上している。営業損失は催事関連事業でも2億5500万円、建築内装事業でも3900万円となっており、新型コロナウイルス感染症の打撃は大きい。
観光不動産事業は、売上高は11億9500万円(1.2%増)、営業利益は3億4200万円(7.9%減)。不動産賃貸が支えた。