アニメ音楽や声優のライブイベントが引き続き拡大している。音楽やステージのライブエンテイメントの調査会社ぴあ総研は、このほど2018年の関連市場規模を発表した。
ぴあ総研によれば、2018年1月から12月までに実施されたアニメ音楽と声優ライブの公演チケットの売上げは推定で200億円だった。期間中に発売されたチケット価格の販売金額から算出した。
市場規模は2017年の181億円から10.5%増であった。期間中の公演回数は1784回(前年1684回)、動員数は265万人(6.4%増)である。動員数より市場規模の伸びが大きいのは、チケット単価が上昇した可能性が高そうだ。
2018年は約10%の伸びであったが、アニメ音楽ライブの市場は近年急成長を続けている。5年前の2013年は72億円の2018年のおよそ1/3程度に過ぎなかった。
2018年の動員数が大きかったのは、『ラブライブ!』『THE IDOLM@STER』など、当初より音楽やアイドルとの連動が意図されたアイドルアニメ関連だ。いずれもドーム規模の会場を使用するなど、動員力の大きさが窺われる。
また複数のアーティストが出演するアニメ音楽フェスティバルも大きな動員を誇っている。「Animelo Summer Live」はさいたまスーパーアリーナを会場に3日間で8万1000人、キングレコードのアーティストが集結する「KING SUPER LIVE」は東京ドームを会場に3万7000人が参加した。
とはいえ2018年の国内音楽ライブの市場全体規模は、3875億円ある。アニメ関連は全体の5%に過ぎない。また伸び率も市場全体の11.8%を下回っている。市場全体の3割程度を占める映画興行や、映像ソフトのアニメシェアと比較すれば、音楽ライブエンテイメント分野はまだ開拓の余地はありそうだ。