「YouTube Originals」登場 原案・虚淵玄のリアルロボットアニメ作品を限定配信

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 昨今は配信発のオリジナルアニメが話題を呼ぶが、巨大映像プラットフォームのYouTubeもまたオリジナルアニメに乗り出す。2019年9月25日、オリジナル原作の新作アニメ『OBSOLETE(オブソリート)』の製作が発表されたが、本作が「YouTube Originals」として2019年12月からYouTubeのみで配信されることが明らかになった。
 『OBSOLETE(オブソリート)』は、アニメの脚本などで人気の虚淵玄氏(ニトロプラス)が原案・シリーズ構成を担当、アニメーション制作をCGアニメで新進気鋭の武右ェ門が担当する。監督には武右ェ門の山田裕城氏、『ヨルムンガンド』『ドリフターズ』『プリンセス・プリンシパル』など数々の話題のアニメ・ゲームなどの設定考証を手がけてきた白土晴一氏を起用した。白土氏がアニメ監督を務めるのは今回が初となる。

 作品の舞台は2014年の地球から始まる。突如現れた異星人の要求する石灰岩の対価として人類は意識制御型汎用ロボット「エグゾフレーム」の技術を手に入れる。それが世界の状況を一変させる。
 凝った世界観とストーリーに定評がある虚淵玄氏の原案・シリーズ構成だけに、先の読めない展開となりそうだ。それを映像で支える武右ェ門はサンライズ練馬スタジオに源流がある。『スチームボーイ』や『FREEDOM』、『SHORT PEACE』で知られたスタジオである。武右ェ門としては新進だが、数々のCGアニメの歴史を築いてきたスタッフが集まる。今回はフルCGアニメでリアルロボットのアクションに挑む。

 さらに注目されるのは、本作が「YouTube Originals」作品となることだ。製作発表がされた9月25日にはYouTube上でティザー映像が公開されたが、本編も12月から「YouTubeバンダイナムコアーツチャンネル」にて「YouTube Originals」の限定公開となる。
 当面はテレビ放送や劇場上映、YouTube以外での配信はないようだ。配信の詳細は今後順次の発表となる。

 「YouTube Originals」はYouTube によるオリジナルシリーズや映画、イベントを視聴できるサービスである。無料の動画サイトのイメージの強いYouTubeだが、有料のYouTube Premium メンバーになることでプレミアなサービスが受けられる。
 Premium メンバーシップは、9月24日から有料コンテンツの一部無料開放といった新サービスをスタートしている。Premium メンバーは最新エピソードを広告なしで視聴でき、メンバー以外は無料公開後に広告付きで視聴が可能になる。『OBSOLETE(オブソリート)』は、このタイミングに合わせた目玉タイトルになる。

 インターネットインフラの発達により、近年アニメ視聴の動画配信の役割が急拡大している。なかでも注目されるのがNetflixやHulu、Amazonプライムビデオといった定額課金見放題の視聴サービスである。豊富な資金を注ぎ込んだオリジナルタイトルの充実に乗り出す映像プラットフォームも増えている。
 一方でこれとは異なり無料配信でオリジナル作品を見せる試みも増えている。最近は、YouTubeなどの無料の映像プラットフォームをファーストウィンドウに選ぶケースも現れている。『OBSOLETE(オブソリート)』はオリジナルアニメで無料配信と有料課金を組み合わせた試みになっている。こうしたビジネスモデルが有用なのかどうか、今後の展開に関心が集まりそうだ。

『OBSOLETE(オブソリート)』
2019年12月配信 「YouTube Originals」

原案・シリーズ構成:虚淵玄(ニトロプラス)
監督:山田裕城/白土晴一
アニメーション制作:武右ェ門

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