エンタテイメントマーケティング調査のぴあ総研が、2018年の2.5次元ミュージカル市場が依然急成長を続けていることを明らかにした。マンガ、アニメ、ゲームを原作とする舞台の市場規模を公演チケット販売額から集計し、2019年7月4日に発表した。
調査によれば、市場は前年比44.9%増と高い成長を続けて、226億円に達する。10年前の2009年には42億円、15年前の2004年の5億円であったから成長ぶりは鮮明だ。2018年は、ミュージカル『テニスの王子様』、ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー」、「刀剣乱舞-ONLINE-」と言った舞台化作品が人気を集めた。市場規模の大きさからも、エンタテイメントの一ジャンルとしてすっかり定着した。
ぴあ総研の調査する「2.5次元ミュージカル」は、マンガ、アニメ、ゲームをベースにしたステージイベント全体を含んでいる。実際はミュージカルに限定していない。当初はミュージカルが多かったが現在は舞台劇も増えており、これらが市場を底上げしている。
また既存のステージ団体でも積極的に2.5次元が取り上げられている。宝塚歌劇では篠原千絵のマンガ『天は赤い河のほとり』、萩尾望都の『ポーの一族』がミュージカル化された。新橋演舞場・大阪松竹座では『るろうに剣心』が演じられている。
全体の公演タイトル数は197本、前年比で26本増えている。全体の公演回数も3695回と35.1%増、動員数は278万人の24.7%増と大幅増だ。
こうした好調ぶりは、マンガ、アニメ、ゲームのビジネス多角を反映している。特にアニメでは、近年、映像ソフト以外のビジネス多角化が積極的に進められていて、ステージやライブはなかでも重要なジャンルになっている。こうした動きも市場の拡大に一役買っていると見られる。
ぴあ総研はライブ・エンタテインメント全体の市場も調査しており、この結果は9月下旬の「2019 ライブ・エンタテインメント白書」にて発表する予定だ。