アニメやマンガ、ゲームを原作にしたミュージカル・舞台の市場が依然、拡大を続けている。ぴあ総研は国内のこうした全体市場を算出し、「2.5次元ミュージカル市場規模」として2018年8月1日に発表をした。各公演のチケット販売額を推計、合算したものだ。
ぴあ総研によれば2017年の国内市場は156億円、前年比で21%の大幅な増加となる。2016年の24%増に引き続き高い伸びとなり、市場の活況を示すものとなった。市場規模は5年前、2012年の2.3倍になった。
市場の成長は、公演数とタイトル数の増加、それと老舗の舞台公演団体がこの分野への取り組みに力を入れていることが後押ししている。
まず公演タイトル数は前年から38本増えて171本に達した。前年比では28%増となる。2012年には69本だったから、5年間で2.5倍になった。さらに公演回数は44.7%増の2734回、動員数も48.1%増の223万人だった。近年、2.5次がより身近に感じられるようになった理由だ。
そしてもうひとつ、2.5次元のメジャー化を感じさせるのは、老舗に演劇団体がより積極的にこの分野に取り組んでいることだろう。ぴあ総研では、『王家の紋章』(東宝)、「ミュージカル浪漫『はいからさんが通る』」(宝塚歌劇)、「スーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』」(松竹)などの大劇場での公演を動員増加の理由としている。
調査のなかでは触れられていないが、「2.5次元ミュージカル」は公演会場での物販売上の大きさも、しばしば関係者から指摘されている。こうした販売促進効果も含めると、関連市場はさらに大きくなり、エンタテイメントのいちジャンルとして無視できない規模だ。
ぴあ総研では、2017年のライブ・エンタテインメント市場全体の調査結果については、2018年9月下旬にリリース予定の『2018 ライブ・エンタテインメント白書』のなかで公表する予定だ。