伊藤潤二のホラーマンガ 中国でネットドラマ化、広がる日本コンテンツの実写化

伊藤潤二

数々のホラーマンガの傑作でカルトな人気を誇る伊藤潤二の作品が、中国で実写ドラマ化される。2016年9月7日、北京の今格藝術センターにて製作発表記者会見が開催された。会見には伊藤潤二が自ら現地に訪れ、番組への期待を語った。
今回の映像化は、「伊藤潤二 超脳洞学院」プロジェクトとして、中国の映像会社である北京は彰石文化伝倍有限公司(PARALLAX Media Co.,Ltd.)が手がける。北京派睿莱斯文化伝媒は、クリーク・アンド・リバー社のサポートのもと伊藤潤二と日本での出版元である朝日新聞出版から今年1月に映像化権を獲得していた。
今回の発表では番組のひとつである『あばら骨』のポスターが公開され、また2016年から2017年にかけて順次放送との配信スケジュールも明らかにされた。映像配信プラットフォームのアイチイーなど、現地の配信サイトにて視聴できるようになる。

伊藤潤二はホラーマンガの大家・楳図かずおに傾倒してマンガ家の世界に進む。代表作としては『富江』がよく知られるが、短編を中心に描かれる独自の怪奇と恐怖の世界は高い評価を受けている。
映画「富江」シリーズや恐怖コレクションなど国内でも映像化は数多い。ufotableのアニメーション制作により、『ギョ』のアニメ化もある。そうした動きが、今回は海外に広がるかたちだ。中国での映像化にあたっては、舞台や時代背景などは中国向けにローカライズされるとのことだ。

北京派睿莱斯文化伝媒は、2012年に北京で設立された新興の映像会社で、ドラマ企画や制作、さらに広告制作やイベント運営も行っている。これまでに、やはり日本の人気マンガ家である久住昌之のヒット作『孤独のグルメ』の中国版ドラマ制作も行った。「伊藤潤二 超脳洞学院」プロジェクトは、そうした経験を活かしたものとなる。
中国企業による日本のマンガ・アニメ・小説などの映像化は、大きなトレンドになりつつある。カルト的な人気を誇る伊藤潤二が題材にされることに、そうしたムーブメンントの広がりが感じられる。

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