大手エンタテイメントグループKADOKAWAの連結子会社MAGES.が、グループから離れ独立した。2019年7月26日、株式会社MAGES.は志倉千代丸氏が代表を務める株式会社CHIYOMARU STUDIOが7月12日付でドワンゴが保有する同社株式の全てを取得したことを明らかにした。株式取得金額は明らかにされていない。
志倉千代丸氏はMAGES.の創業から関わり、会長を務めていた。経営者自らが会社を買収するマネジメント・バイアウト(MBO)のかたちとなった。志倉氏は新たに代表取締役社長に就任した。
MAGES.は2005年にティー・ワイ・オーが設立した連結子会社5pb.に源流がある。その後ドワンゴと文化放送が設立したAG-ONEと2011年に統合されいまの体制を築いた。2013年に全株式をドワンゴが取得しその完全子会社になった。さらに2014年にドワンゴとKADOKAWAが経営統合するかたちでKADOKAWAとつながった。
MAGES.は、音楽事業・ゲーム事業のほかドワンゴのアニメ製作出資事業を引継ぎついでいる。KADOKAWAグループとはこれまでの関係を維持するとしているが、KADOKAWAは大きなブランドを手放すことになる。
MAGES.によれば、今回のMBOはよりスピーディーで柔軟な経営判断を行うためとしている。また今後はゲーム・音楽とも「MAGES.」ブランドを強く押し出す方針だ。
KADOKAWAは2019年期末決算で、2014年に経営統合したドワンゴ部門の事業悪化から業績不振となっていた。これを受けて組織の大幅な再編を進めている。その過程でイベント事業の目玉であったニコファーレ、ニコニコ本社の7月末終了も発表された。またニュースメディア「電ファミニコゲーマー」が編集長である平信一氏が社長を務める株式会社マレに事業移管している。今回もよりスリムな経営体制を目指すKADOKAWAの方針を反映したと言えそうだ。