2019年3月1日、東京・グランドプリンスホテル新高輪にて、第42回日本アカデミー賞授賞式が開催された。すでに発表されていた各賞の贈賞が行われ、さらに15部門で最優秀賞を選出、この場で発表された。
注目された最優秀アニメーション作品賞には、細田守監督の長編映画『未来のミライ』が選ばれた。4歳の男の子が、新しくて誕生した妹を通して成長していく作品だ。小さな物語を丁寧に描くことで高く評価されてきた。
日本アカデミー賞は、日本アカデミー賞協会が主催。毎年過去一年間に日本で公開された映画を対象に映画業界人の投票により、優秀作品を決定する。
アニメーション作品賞は2006年から新設。第1回の最優秀作品は『時をかける少女』だった。以来、2009年『サマーウォーズ』、2012年『おおかみこどもの雨と雪』、2015年の『バケモノの子』と、細田守監督は今回で5回目の最優秀アニメーション作品賞となる。
『未来のミライ』は、すでに米国・アニー賞で、長編アニメーション(インディペンデント)で最優秀賞を受賞、米国アカデミー賞やゴールデングローブ賞にノミネート、アヌシー国際アニメーション映画祭でもコンペインするなど海外で高く評価されてきた。日本でも大きな栄冠に輝いた。
今年の優秀アニメーション作品賞には、他に『ドラゴンボール超 ブロリー』、『ペンギン・ハイウェイ』、『名探偵コナン ゼロの執行人』、『若おかみは小学生!』などの有力作が並んでいた。これらを退けての最優秀賞になる。
また日本アカデミー賞協会は、長年の映画文化に対する貢献を顕彰する各賞にも、アニメ関係者を選出している。
映画製作現場の支えてきた活動を顕彰する協会特別賞にアニメーターの大塚康夫氏が選ばれた。大塚氏は東映動画出身で、『太陽の王子 ホルスの大冒険』『ルパン三世』『パンダコパンダ』『未来少年コナン』などで活躍してきた。宮崎駿氏や高畑勲氏らにも大きな影響を与えた。
その高畑勲氏には、会長特別賞が贈られた。1980年代以降、スタジオジブリで活動し、『かぐや姫の物語』や『火垂るの墓』、『ホーホケキョ となりの山田くん』などの傑作を残し、2018年4月に逝去した。その長年活躍を讃えるものだ。