2019年1月17日、大阪地方裁判所は、マンガ作品の無許諾アップロードで提訴されていた海賊版サイト「はるか夢の址」の運営者に有罪判決が下された。講談社がコメントとして明らかにした。
講談社によれば、サイト運営の主犯格の3名は、それぞれ3年6ヵ月、3年、2年4ヵ月の執行猶予のつかない実刑判決を受けた。著作権侵害事件で、実刑、そして2年以上の期間の長さも含めると極めて厳しい判断である。
主犯以外でも、無許諾アップロードをした関係者も懲役刑の有罪判決を受けている。講談社は重大な意義があった判決としている。
今回の事件は2017年10月31日に、「はるか夢の址」の運営者など9名が権利者に無断でマンガ作品を共謀したうえで公開していたとして、9府県警察が合同で摘発し著作権法違反の疑いで逮捕したものだ。「はるか夢の址」は、サイトに挙げられた作品の数や組織の大きさから日本最大級の海賊サイトとされていた。
摘発にあたってはKADOKAWA、講談社、集英社、小学館、スクウェア・エニックス、白泉社の6社が協力している。摘発から1年余りで判決に至った。
判決で重要な点は、無許諾アップロードだけでなく、アップロードされた先のリンクアドレスを紹介する「リーチサイト」の責任が問われたことである。今回はリンクの紹介者と無許諾アップロードの実行者が共謀したことが重視されたとみられる。
しかしリンクを張ることで、違法行為を潜り抜けるケースも多く、現在は違法化に関する法改正でも重要なポイントになっている。今後の著作権法を巡る論議にも影響を与えそうだ。