DMMが実写製作に進出 「DMM FILMS」で映画・ドラマを展開

DMM FILMS

 IT関連事業を広く手がけるDMM.comが、実写映画と実写ドラマの企画・製作・出資に進出する。2025年2月26日、DMMは実写映像製作の事業ブランド「DMM FILMS」を立ち上げた。 
 「DMM FILMS」レーベル第1弾は、人気マンガを原作にした映画『山田くんとLv999の恋をする』。2025年3月28日よりKADOKAWA配給での全国公開が決まっている。DMMは本作に出資すると同時に、グループ内のエンタテインメント事業を通じてグッズの企画・販売をする。

 DMM.comは1998年に設立、動画配信やオンラインゲーム、オンライン金融、オンライン英会話など、インターネットを軸にした幅広いサービスを提供している。なかでも力を入れるのが動画配信や電子書籍、アニメといったエンタテイメント関連事業である。
 アニメもそのひとつで、2016年にアニメ事業レーベル「DMM pictures」をスタートし、アニメの企画・開発・出資・ライセンス運用、さらに映像ソフトまで手がける。2023年4月にはアニメーション制作のCUEも設立し、川上から川下まで一気通貫のビジネスを目指す。現在は年間15作品から20作品に出資、累計出資作品は70タイトルを越える。

 そうしたDMMが映像ビジネスのウィングを実写映画・ドラマに広げる。実写進出にあたっては、アニメやゲームで培ってきたノウハウを活かす。DMMによれば、実写映像においても、アニメなどと同様に配信や商品化といった二次利用市場に高い成長の可能性があるとする。映画やドラマを軸に配信やグッズ、イベント、ゲーム化などの多角的なビジネス展開を目指す。
 アニメに較べると実写はキャラクター商品などの二次展開の少ないとされている。しかし作品次第では同様のビジネスが狙えるとDMMは考えているようだ。実際に第1弾作品の『山田くんとLv999の恋をする』はマンガを原作とするだけでなく、2023年にはアニメシリーズ化されたばかりだ。今回の映画もそれらに連動したメディアミックスの面もある。今後もこうしたタイプの作品への出資が中心になる可能性が高い。
 同時にアニメで成功するビジネスモデルが実写に移植できるのか、DMMはどの規模まで実写ビジネスを広げるのか。映像業界から関心を集めそうだ。

DMM FILMS https://films.dmm.com

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