2018年3月21日に日本公開したドリームワークス・アニメーションの最新作『ボス・ベイビー』が、興行収入で大きな記録を築いた。公開から20日目の4月9日時点で、興行収入26億81万6300円の大ヒットになり、観客動員数は226万6308人となった。
これは2004年に『シュレック2』が築いた日本国内興行収入記録24億4614万円を超え、ドリームワークス・アニメーションで過去最高記録である。14年ぶりの大記録だ。
『ボス・ベイビー』は、ある日突然少年・テイムの家にやってきた赤ん坊が、実は大人顔向けの頭脳と行動力を持つ謎の存在であったというストーリー。テイムとボス・ベイビーは反発し合いながらも、やがて大きな陰謀に立ち向かうことになる。
キュートなキャラクターに、コメディたっぷり、そして泣ける映画と人気を集めている。公開は全国323館333スクリーンでスタート。公開7日目で興行収入10億円を突破、14日目には20億円を突破と快進撃を続けている。春のヒット作の枠を勝ち取った。
作品の大ヒットはドリームワークス・アニメーションだけでなく、ユニバーサル・スタジオ、そして日本配給を担当した東宝東和にとっても意味が大きい。2016年のユニバーサルによるドリームワークス・アニメーション買収後に、両社が本格的に取り組んだ初の作品だからだ。
ドリームワークス・アニメーションの作品はこれまで国内配給体制がたびたび変更され、2012年の『マダガスカル3』以降は日本での劇場公開が全くされていなかった。その数は9作品、この中には世界的なヒット作『ヒックとドラゴン2』や『カンフー・パンダ3』も含まれている。この間に、ライバルのディズニーやピクサーからは多くのヒット作が生まれ、コメディタッチのCGアニメーションでは「怪盗グルー」シリーズを擁するイルミネーションが急速に台頭、存在感を大きくした。
『ボス・ベイビー』は、スタジオにとって6年ぶりの日本劇場公開になる。今回は新たに世界配給を手がけるユニバーサルと、その日本のパートナーである東宝東和の手腕が問われた。
ドリームワークスのブランドはいまでも日本で通用するのか、そのテーストは日本で受け入れられるのか。しかし『ボス・ベイビー』はそうし懸念を見事に打消し、大きな成果を残した。今後に続く作品にとって間違いなくポジティブなサインだろう。