2018年初夏に国内で爆発的なヒットを記録した劇場版『名探偵コナン ゼロの執行人』が、中国のファンも劇場で楽しめるようになる。このほど本作が2018年11月9日に、中国で全国公開されることが発表された。
配給は中国の大手映画会社華夏電影発行有限責任公司、中国版の制作は長影集団訳制片制作有限責任公司が手がけた。2018年に中国で公開される日本の劇場アニメでは、5本目になる。
『名探偵コナン ゼロの執行人』は、青山剛昌のマンガを原作としたアニメシリーズの劇場版第22作にあたる。2018年4月13日に全国公開した。もともと人気の高いシリーズであったが、大人でも満足のいく骨太なストーリー、人気キャラクターの安室透を押し出したことで、ファンから高い支持を得た。
興行収入は86億円を突破、シリーズ映画スタートから22年目で大幅に記録を更新した。それだけに中国での期待も高まる。
一方で、中国での劇場版『名探偵コナン』は、必ずしも好調ではなかった。2010年に『漆黒の追跡者』(第13作目)、2011年に『沈黙の15分』(第15作)が、日本アニメの公開が珍しいなかで劇場上映された。しかし、その後は、2015年に『業火の向日葵』(第19作)、2016年に『純黒の悪夢』(第20作)が上映されたものの2017年は公開がなかった。このため日本では大ヒットであった『から紅の恋歌』(第21作)は飛ばされたかたちだ。
また興行収入も過去最高は『業火の向日葵』の8162万元、毎年ヒットを連発する『ドラえもん』に及ばない。作品自体の人気は高いだけに、それが興行に結びつくか、シリーズ最高のヒット作の展開が注目される。