2018年3月に行われたディズニーによるフォックスの買収が、ハリウッドの劇場アニメーションにも影響を与えそうだ。2019年5月7日(現地時間)、ウィルト・ディズニーは買収に伴った2019年から2022年にかけての劇場映画の配給・公開の変更を含む新スケジュールを発表した。
アニメーション映画でも旧ディズニー系のディズニー・アニメーションとピクサーアニメーション、そしてフォックス系のブルースカイスタジオと主要スタジオだけでも3つとなる。長編映画でもアニメーション業界に対する影響はさらに大きくなりそうだ。
映画公開スケジュールを調整するのは、大作映画の公開時期が重ならないことを大きな理由となる。フォックス買収でディズニーは、ウォルト・ディズニー・スタジオのほか20世紀フォックスも傘下におさめてハリウッド6大スタジオのうち2つを保有することになる。
ライバルであれば、繁忙期に大作の公開が重なるのはやむ得ない。しかし同じグループとなればそれは避けたい。今回は20世紀フォックスの大作シリーズ『アバター』を調整することで、『スター・ウォーズ』の新シリーズが交互に公開されることになる。
アニメーションでは ブルースカイスタジオの『Spies in Disguise』のスケジュールが変更されている。当初設定されていた9月13日からクリスマスシーズンの12月25日に移される。もともとたびたび公開日を延期してきたが、クリスマス当日から年末年始は映画公開としては必ずしもよいタイミングは言えない。再スケジュールで割を喰ったかたちだ。
これはディズニーグループの大手スタジオが3つまで増えたことも理由だろう。これまでもディズニーとピクサーの2大ブランドを持つディズニーのアニメーション映画の公開はかなりハイピッチだったからだ。
ところは新たなスケジュールでみると、2019年は6月21日『トイ・ストリー4』(ピクサー)、11月22日『アナと雪の女王』、12月25日『Spies in Disguise』(ブルースカイスタジオ)とうまい具合になっている。
問題は2020年である。ディズニーが2本、ピクサーが2本、そしてフォツクス系が2本と合計で6本にもなる。フォックス系は『BOB’S BURGERS』と『Ron’s Gone Wrong』(Locksmith Animation)だが、いずれもブルースカイスタジオではなく、20世紀フォックスと新進アニメーションスタジオとの共同製作だ。
ブルースカイスタジオの新作は2021年3月5日公開の『Nimona』まで待つことになる。問題はその次だ。2022年はディズニー、ピクサーの新作は予定に挙がっている。これまでどおりディズニーが毎年1本、ピクサーが2年で3本のペースは守られそうだ。
しかしブルースカイスタジオは現段階で言及がない。もちろんそこまで行くと、ほとんどのスケジュールが埋まっておらず、今後発表の可能性はある。興行成績ではディニー、ピクサーの後塵を拝するだけに今後の展開が気になるところだ。
[2019年以降のディズニー アニメーション映画の配給スケジュール]
2019年6月21日 『トイ・ストリー4』 (ピクサー)
2019年11月22日 『アナと雪の女王』 (ディズニー)
2019年12月25日 『Spies in Disguise』 (ブルースカイスタジオ)
2020年3月6日 『Onward』 (ピクサー)
2020年6月19日 ピクサー新作
2020年7月17日 『BOB’S BURGERS』 (Bento Box Entertainment)
2020年8月14日 『The One and Only Ivan』 (ディズニー)
2020年11月6日 『Ron’s Gone Wrong』(Locksmith Animation)
2020年11月25日 ディズニー新作
2021年3月5日 『Nimona』 (ブルースカイスタジオ)
2021年6月18日 ピクサー新作
2021年11月24日 ディズニー新作
2022年3月18日 ピクサー新作
2022年6月17日 ピクサー新作
2022年11月23日 ディズニー新作