アニメなどのエンタテイメント事業にも大きな力をいれるビッグプレイヤーが、コンテツ創出で手を組むことになった。国内最大手の映画会社・東宝が、住友商事がこの春に立ち上げたコンテンツ会社AlphaBoat合同会社に出資することを明らかにした。
AlphaBoatとの資本業務提携を通じて東宝は、動画投稿をするクリエイターの中から優秀な人材を発掘。製作機会を提供することで、映画やアニメの監督、さらにアーティスト、タレントを育てる。
AlphaBoat合同会社は、住友商事が2018年4月に設立した。デジタル分野の戦略会社であるSCデジタルメディアの子会社である。設立にあたっては米国の動画コンテンツ制作の大手フルスクリーン・メディアと手を組む。
フルスクリーン・メディアは、メディアコングロマリットのチャーニンのグループ企業になる。チャーニングループは、日本アニメの海外向け配信の大手イレーション(クランチロール)の親会社としても知られている。インターネット分野のビジネスを得意として、フルスクリーンでは8万人のクリエイターに様々なツールや情報を提供することで動画コンテンツ制作を支援している。フルスクリーンも今後、AlphaBoatへの出資を予定している。
AlphaBoatはフルスクリーンのノウハウを活用することで、日本でYouTubeなどの動画プラットフォームで活躍するクリエイターのサポート事業を行うとしている。今後さらに需要が増えるとみられる動画クリエイターの囲い込を目指す。
今回、東宝がビジネスに加わることで、クリエイターの活躍の場は動画プラットフォームだけでなく、様々なメディアに広がる可能性が生まれる。さらにクリエイターは、映画会社が培ってきた制作ノウハウを得ることが出来る。
東宝にとっては、新時代のメディアとされながらほとんど手つかずであった投稿型プラットフォームへのビジネスの足掛かりを得る。さらに新しい才能の発掘の可能性が広がる。
東宝と住友商事、そして米国のチャーニングループと大企業が名を連ねたことで、AlphaBoatへのビジネスの関心もこれまで以上に増すことになった。動画コンテンツ分野からどんな才能が生まれるのか、今後の動向も注目される。