フランスの新進アニメーションスタジオ ヤピコ・アニメーション(yapiko animation)が、日本のトップクリエイターと共にオリジナルの新作アニメーションを製作することになった。同社は、2016年7月8日にフランス・パリ郊外のヴィルパント国際展示場で行われたジャパンエキスポ2016の会場で事業説明会を開催、日本のクリエイター磯光雄氏とコラボレーションして『Les Pirates de la Reunion Le Reveil des dodos』と題する作品を製作すると発表した。会場には磯光雄氏自身もサプライズで出演し、フランスのアニメファンを沸かせた。
作品はインド洋にあるフランス領レユニオン島を舞台にするという。発表と合せて、公式のFacebookページもオープンしている。ここでは島と巨大なドードー鳥を背景に二人の少年と少女のキャラクターが紹介されている。また権利表記は「(C)MITSUO ISO 2016」となっており、本作が磯光雄氏のアイディアによるオリジナル作品であることが判る。
ヤピコ・アニメーションは、2012年にエディ・メホング=シ=リ氏、ジャン=ルイ・バンデストック氏、セブリーヌ・バルレット氏らが設立したアニメーション製作会社である。メホング氏は9年間にわたり日本でアニメーターとして活躍し、数々の人気アニメの原画を手がけた経験がある。スタジオは日本とフランスをつなぐことで、日本のクリエイティブを活かした作品づくりを目指している。
2015年にはクラウディングサイトのKickstarterで、日本のクリエイターも参加する26分の新作アニメーション『URBANCE』を成功させている。このほかにも日本とフランスを中心としたアニメーションプロジェクトに積極的に取り組んでいる。
磯光雄氏は、長年、実力派アニメーターとして活躍してきた。2007年にはNHKで放送されたテレアニメシリーズ『電脳コイル』で監督デビュー、原案、脚本も務めた。近未来のテクノロジーと日常を結びつけた本作でたちまち高い評価を獲得した。『Les Pirates de la Reunion Le Reveil des dodos』は、『電脳コイル』以来の磯光雄氏の新作として注目を浴びそうだ。
同時に日本のクリエイターの海外との取り組みとしても話題を呼びそうだ。近年、日本のクリエイターが日本の企業を飛び越えて、海外の企業と作品制作をするケースが見られるようになってきた。『Les Pirates de la Reunion Le Reveil des dodos』も、そんなひとつと言えそうだ。
ヤピコ・アニメーション(yapiko animation)
http://yapiko.fr/urbance/?lang=ja
『Les Pirates de la Reunion』
https://facebook.com/lespiratesdelareunion/