11月26日、エンタテイメント大手のバンダイナムコホールディングス(バンダイナムコHD)は、2019年10月10日から11月25日まで行っていた創通に対する公開買付けの結果を発表した。期間中に応募した株式数は868万3500株、発行済株式の59.26%にあたる。買付け予定数の下限721万株を上回ったことから、株式取得が実施される。
バンダイナムコHDは公開買付前より、22.79%の株式を保有していた。これにより同社の株式保有割合は82.05%に上昇し、過半数を握ることで経営の主導権を持つことになる。取得金額は約270億円になる。
しかし創通の株主でもある外資系投資ファンドRMBファンドが、バンダイナムコHDの公開買付に反対を表明したことから保有割合は82%にとどまった。創通の完全子会社化を目指すバンダイナムコHDにとっては課題が残ったかたちだ。同社の完全子会社化には90%以上の株主が必要だからだ。
創通はアニメ企画・製作の有力企業で、「機動戦士ガンダム」シリーズのライセンスの保有で知られている。バンダイナムコHDは子会社サンライズを通じてやはり「ガンダム」シリーズのライセンスを保有している。創通をグループ会社とすることで、ライセンスの集約を目指していた。
RMBファンドはバンダイナムコHDの提案し創通1株3100円は、不当に評価が低いと主張している。またバンダイナムコHDが創通の大株主である創業者らに、買収後に就職支援事業の売却を検討していることが公正性に欠けるともしている。