2017年9月8日、日本のアニメ映画『聲の形』が、中国公開をスタートした。数千スクリーン規模の大規模公開となり初日から3日間、初週末の興行収入は3200万元、日本円で5億円を大きく超えた。堅調なスタートを切った。
初週末の興行ランキングでは『スパイダーマン:ホームカミング』、『ダンケルク』に続き第3位でのスタートが見込まれる。ただし『スパイダーマン:ホームカミング』は約4億3000万元と、『聲の形』の10倍超と大ヒットである。
また『聲の形』より一週間早い公開となった実写『銀魂』も8000万元に迫る水準まで興行収入を重ねている。実写映画過去最高の『寄生獣』の4800万元を引き離した。
今後の『聲の形』の興行であるが、中国映画市場では初動でそのほとんどを稼ぎだすことから、1億元水準はやや厳しそうだ。また、9月15日から、新たな日本アニメ映画『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール』が公開となることから、観客の競合は避けられない。
それでも現在の段階で、『聲の形』は中国で公開された日本アニメとしては第9位に位置する。上位作品は、『ドラえもん』や『ONE PIECE』、『名探偵コナン』などが占めている。
若者向けのアニメとしては、2016年暮れの『君の名は。』以来である。大衆的というよりもアニメファンに人気が高い京都アニメーションの作品が全国規模で公開されることは、中国映画市場の変化ともいえる。『聲の形』のかたちに続くことになる『劇場版 ソードアート・オンライン』も含めて、中国のアニメビジネスの新たなトレンドとして、その活躍が期待される。