1972年にテレビ放送を開始し、絶大な人気を誇ったアニメ『マジンガーZ』が、新たに劇場映画として蘇る。2017年1月に製作発表された『劇場版マジンガーZ』(仮題)が、世界マーケットを目指す。
3月に開催されたAnimeJapan 2017のステージでは、原作者の永井豪から、海外先行公開が明らかにされたが、今年6月にはフランスでいち早く、作品の一部が登場する。
世界最大のアニメーション映画祭であるアヌシー国際アニメーション映画祭は、この夏、ゲストとして永井豪を招き、さらに現地にて『劇場版マジンガーZ』のフッテージをいち早く公開。東映アニメーションが世界向けのタイトルとして力をいれる本作を世界の映画人に向けアピールする。
フッテージが紹介されるのは、6月14日の午後に開催される「Making of」と呼ばれる企画である。「Making of」は、毎年、これから公開される注目の映画のメイキングをいち早く紹介するものだ。2016年は、『この世界の片隅に』が取り上げられ話題を呼んだ。
今回の会場となるのは、約1000人収容のBonlieu Bonlieu Grande salleと呼ばれる映画祭のメイン会場となる。フランスで 人気も知名度も高い永井豪の登壇とあり、大きな話題になりそうだ。
『マジンガーZ』は永井豪の代表作のひとつ。主人公・兜甲児が巨大ロボットマジンガーZに登場し、敵と戦う。巨大ロボットもの源流ともされ、全92話の本作のほか、続編『グレートマジンガー』、『UFOロボ グレンダイザー』も製作された。
日本だけでなく、シリーズの海外で高い人気も知られる。ヨーロッパや中南米で大ヒット、いまでも熱烈なファンを多く持つ。今回の『劇場版マジンガーZ』の世界タイトルとの位置づけも、そうした背景がある。 とりわけフランスは、そうした海外人気の中心のひとつだ。フランス・アヌシーから最初の情報発信となる。
70年代のテレビシリーズ後も、『マジンガーZ』は『ゴッドマジンガー』や『真マジンガー 衝撃! Z編』、『マジンカイザー』といった関連作品がテレビアニメ、OVAで数多く製作されている。しかし、劇場長編は1974年の『マジンガーZ対暗黒大将軍』以来となる。それだけに力のはいった作品になるだろう。
アニメーション制作は東映アニメーション、国内配給は東映、制作に参加するスタッフには精鋭が揃う。監督は『ONE PIECE エピソードオブチョッパー+冬に咲く、奇跡の桜』の志水淳児を起用、脚本は『東京トイボックス』の小沢高広(うめ)。またメカニックには、『機動戦士ガンダム00』、『楽園追放 -Expelled from Paradise-』の柳瀬敬之、『アフロサムライ』の飯島弘也がキャラクターデザインと、これまでのシリーズと異なった趣になりそうだ。
6月には、その最初の海外の反響がアヌシーから伝わってきそうだ。
『劇場版マジンガーZ』(仮題)
http://www.mazinger-z.jp/