今年で30回目を迎える東京国際映画祭の顔が変わる。映画祭を主催する公益財団法人ユニジャパンは2017年3月10日、新たにフェスティバル・ディレクターとして久松猛朗氏が就任したことを発表した。10月25日から11月3日までの10日間、東京・六本木地区をメイン会場とする第30回東京国際映画祭を率いることになる。
久松猛朗氏は、1978年に松竹に入社、その後、松竹、ワーナーブラザース映画や衛星劇場といった映画・映像企業のエグゼクティブを歴任してきた。劇場、宣伝、番組編成、配給、買付、製作と幅広い経験を持っている。こうした経験や人脈が、映画祭の運営にも活かされることになる。
今回の久松氏の就任は、映画祭、そして併催する国際見本市TIFFCOMの運営組織の再編の一環でもある。これまで映画祭のトップは、東京国際映画祭/TIFFCOMディレクター・ジェネラルとしてKADOKAWAの椎名保氏が務めていた。今回はこの職務を東京国際映画祭のフェスティバル・ディレクターと、TIFFCOMの代表CEOのふたつに分割する。
TIFFCOMは、代表CEOである椎名氏が引き続き統括する。近年、成長を続けるTIFFCOMに専念することで、ビジネス面での日本の映画・映像分野の発展を目指すことになる。
第30回東京国際映画祭実行委員会は、東宝代表取締役社長の島谷能成氏が委員長となる。副委員長に東映代表取締役社長の多田憲之氏とKADOKAWA代表取締役専務の井上伸一郎氏、さらに久松氏が加わる。
また多田氏は、今回新たに設置される映画祭の諮問機関アドバイザリーボードの委員長も務める。映画祭/TIFFCOM関係の要職を東宝、東映、松竹、KADOKAWAの大手映画会社4社が分担するかたちだ。
東京国際映画祭
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