2016年10月24日から27日まで、第29回東京国際映画祭と併せて開催されたJapan Content Showcase2016がこのほどマーケットレポートをまとめた。2016年は映画・テレビ番組のTIFFCOM、アニメのTIAF、そして音楽TIMMと3つの国際見本市を合せて、1万8330名の来場者があった。これは過去最高の記録となる。
来場者の増加は見本市の規模の拡大に連動している。2016年はTIMMの会場を従来のお台場から渋谷に移したこともあり、出展団体数が前年の347から356の過去最大となっている。登録バイヤー数も1433名から1539名、27プログラムが設けられたセミナー参加者数も2147名から2432名に増加した。4日間を通して、例年以上の賑わいだったと言っていいだろう。
期間中の商談件数は6805件、成約金額が5305万3381ドルに達したとしている。日本円で60億円近い取引が、見本市の場で決まったことになる。このうち一番大きかったのは、実写映画の32%、次いで実写テレビドラマの30%だった。
一方テレビアニメも全体の20%、アニメ映画は6%と、アニメ合算で26%だった。これは前年から8ポイントの上昇で、近年、日本アニメの海外からのニーズが増していることを反映したかたちだ。
アニメに対するニーズは、海外バイヤーの属性からも窺える。海外バイヤーが求めるジャンルのトップはアニメーション(13.2%)で、ドラマの10.6%を上回った。また日本の出展者でもジャンル別でアニメが11.4%とドラマの9.1%を上回る。国内アニメの海外バイヤーへの販売が、JCSの主要取引のひとつになっていることが判る。
また海外バイヤーは全体で926名、このうちアジアからの増加が大きく、720名を占めた。香港162名、中国140名、韓国108名、台湾100名である。アジア以外では米国の81名が大きかった。
業種別では日本のバイヤーの40%が配給であるのに対して、海外は配給のほか製作/制作、放送局と多岐にわたり、配信も8.9%あった。日本のバイヤーでも配信は13.4%を占めている。