熊本にアニメスタジオ、2024年4月に設立 市とC2Cが立地協定

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 東京都に本社を持つC2Cが新スタジオを熊本県熊本市に開設することが明らかになった。2023年10月23日、熊本県庁で熊本市とC2Cは、立地協定を締結した。
 当日はC2Cの代表取締役社長の山田良輔氏、熊本市経済観光局長、熊本県商工労働部長が出席し立地協定調印式を実施した。式の後の記者会見では、熊本でアニメスタジオを開設する意気込みについて語られた。

 C2Cは2009年に都内に設立されたアニメーション制作会社で、2018年の『はるかなレシーブ』で元請制作に進出。その後も『魔女の旅々』、『月が導く異世界道中』などの話題作を制作している。この秋からは最新作『シャングリラ・フロンティア』が、MBS・TBS系日曜17時から放送中だ。
 業容も拡大しており、現在の東京スタジオは60名体制、直近の2023年3月期の売上高は8億4000万円だった。業務拡大の一環として熊本進出を決めた。市内でのアニメ企画、制作に取り組む。
 新スタジオは熊本市中央区のビルに約100㎡で立地する。当初の投資金額は2000万円を予定、2024年に10名体制でスタート、その後の拡大を目指す。

 近年、アニメ制作会社の地方スタジオ進出が続いている。デジタル化の進展で制作素材のやりとりがネットでも出来るようになった技術の進歩に加えて、人材不足が続く業界が地方の才能の発掘を目指していることも大きい。
 加えて、若者にアピールするクリエイティブ産業の振興のひとつとして、地方自治体が進出を後押しするケースも多い。立地協定調印から今回のC2Cの進出も、地域からの期待の大きさが窺える。

 しかし九州地区では福岡にアニメスタジオの進出が続いた一方で、直近で佐賀や鹿児島などでもアニメスタジオの設立があった。地域での競争も今後は増しそうだ。またデジタル化は進んでいるが、まだ十分でないところも多い。こうした課題をスタジオがどのように乗り越えるかが、今後の成長の鍵になりそうだ。

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