
キャラクター・ブランド事業、映像事業のDLEは2025年5月23日に、代表取締役社長の交代を発表した。6月23日開催予定の定時株主総会と取締役会の決議を経て、現代表取締役社長の星秀雄氏が退任、新たに現執行役員COO(チーフ・クリエイティブ・オフィサー)の小野亮氏が代表取締役社長に就任する。
小野氏は映像制作会社出身。退社後、インディー作家として「蛙男商会」ブランドで制作したショートアニメシリーズが大ヒット、一躍注目を浴びた。クリエイター のFROGMANとしても知られている。DLEの代表作である『秘密結社鷹の爪』の生みの親でもある。
クリエイターとして活躍する一方で、2006年にDLEに入社、クリティブを中心に同社の経営にも関わるようになった。2007年に取締役就任、2021年から執行役員COOを務めている。
星秀雄氏は朝日放送グループホールディングス(ABC HD)の経営戦略局出身で、2024年4月に代表取締役社長に就任した。ABC HDは2019年にDLEの筆頭株主になり、連結子会社化していた。しかし2024年4月には保有株比率を51.75%から49.75%に引き下げ、持分法適用関連会社に変更している。
DLEは2014年に東京証券取引市場マザーズ市場に上場、コストを抑えたショートアニメ制作で注目をされた。その後東京ガールズコレクションなど有名ブランドの買収や海外事業など幅広いエンタテイメント事業への積極を投資してきた。
しかし2010年代終わり頃より業績不振に陥り、2020年3月期からは6期連続最終赤字を計上している。今期(2026年3月期)は増収、営業損失の縮小、最終黒字を見込んでいる。この経営立て直しが、クリエイター出身の新社長に託される。