大阪に拠点を持つ朝日放送グループホールディングスは、子会社でアニメ映像制作・キャラクター事業のディー・エル・イー(DLE)の株式を一部売却する。現在は発行済株式の51.75%を保有するが、5月30日以降、2%分を売却する。
全体からの比率は小さいが、売却後は保有比率が過半数から49.75%に下がる。これと合せて、朝日放送グループはDLEを連結子会社から持分法適用関連会社とする。
テレビ朝日の今回の決定は、グループ経営を放送・コンテンツ事業とライフスタイル事業に集中するためだ。DLEのコア事業であるファスト・エンタテインメントを中心事業から外す。そのうえでDLE との資本関係を見直し、DLE が独立して機動的な経営をすることが企業価値の最大化につながるとする。ただし今後も、個別案件毎に両社は協業を継続的に検討していく予定だ。
DLEは2001年に映像コンテンツ制作会社として、現在も役員で持株保有比率第2位の椎木隆太氏が設立した。その後Flashを使ったショートアニメの制作とキャラクタービジネスで成長した。『秘密結社 鷹の爪』などのヒット作品を保有する。2014年の東証マザーズ市場に上場、2019年からは第三者割当増資により朝日放送グループの子会社になっていた。
しかし近年の経営は脆弱で、過去5年間はいずれも最終赤字だった。2024年3月期は連結売上高17億500万円(15.6%減)、営業損失5億8900万円、経常損失5億9000万円、当期純損失5億200万円となっている。今後は新たな立ち位置での経営再建が課題になりそうだ。