
サイバーエージェントとSNSの世界大手X(旧Twitter)が、アニメのグローバル展開で協力する。CyberAgent AmericaとXの日本法人X Corp. Japanが、アニメのグローバル展開におけるマーケティングパートナーシップを締結した。
CyberAgent Americaはサイバーエージェントの米国法人で、サンフランシスコに拠点を持つ。2025年2月にアニメ分野のグローバルマーケティング事業会社として再編したばかり。国内外のアニメのマーケティング戦略やグローバル向けのコミュニケーション、プロモーション事業を担う。相次いで日本アニメの世界向けの新たなマーケティング戦略や取り組みを発表している。
XはTwitterとして2006年に設立、手軽なメッセージのやりとりで人気を得て、世界的なSNSに成長した。現在はXの名前で世界で月間5.5億人のユーザーに利用されている。日本のユーザー数は6800万人と、特に利用が多い国として知られている。
日本アニメはXで人気の高いトピックスで、関連の投稿が多く、情報交換やコミュニケーションが活発に行われている。両社はこの人気に目をつけた。両社の強みを掛け合わせることで、Xのプラットフォームからアニメのグローバル展開を推し進める。
まずSNSならではのサービスを活かしたアニメに特化した特別機能を共同開発する。アニメキャラクターを活用した絵文字や特定のアニメ作品に関連する投稿のみが表示されるタイムラインなどだ。さらにアニメ情報を世界同時発信する特別ページを共同で手がける。
アニメ作品のマーケティングでは、Xのデータを活用する。X上での「会話数」「検索数」「インプレッション数」「エンゲージメント数」などから、作品ごとに各地域の傾向にあわせたマーケティング戦略とプロモーションを策定する。
さらにアニメ作品に関連した映像も共同制作する。スタッフや声優が登場する映像、イベントと連動した企画、さらに地域ごとにローカライズした映像などを目指す。
国内ではXとアニメファンの親和性の高さはかねてより指摘されている。アニメファンのユーザー数が多く、作品の情報獲得や感想の投稿などで積極的に活用されているからだ。作品ごとのX公式アカウントの作成や公式アカウントのきめ細かな情報発信は、アニメのプロモーションに一番に必要と各社は取り組む。
XとCyberAgent Americaではこうした状況をさらに活性化することで、より高い収益化を生み出すことが可能との狙いもあるだろう。ユーザーをグッズやイベントチケットの購買、有料動画のつなげるなどのビジネス化が可能との考えがありそうだ。