
日本を代表するアニメーション監督として世界的に知られる高畑勲をテーマにした展覧会が、この夏、東京のトレンドの発信地に姿を見せる。2025年6月27日から9月15日までの2ヶ月あまり東京都港区の麻布台ヒルズ ギャラリーにて「高畑勲展 ̶日本のアニメーションを作った男。」が開催される。
麻布台ヒルズ ギャラリーとNHK、NHKプロモーションが主催、スタジオジブリが企画協力する。とりわけティザービジュアルにも使われている『火垂るの墓』に注目する。
2025年は高畑勲の生誕90年という節目であることに加えて、太平洋戦争の終戦から80年の年である。『火垂るの墓』はこの終戦前後の時代を生きた兄妹の過酷な運命を描いている。展覧会では『火垂るの墓』に着目した展示も予定する。
ティザービジュアルは、『火垂るの墓』とは別の『アルプスの少女ハイジ』 バージョンも用意されている。『アルプスの少女ハイジ』は1974年に放送されたスイスアルプスを舞台に明るく生きる少女ハイジを主人公にしたテレビシリーズだ。今なお高い人気を誇る。高畑勲が演出を務めた初期の代表作でもある。
展覧会では高畑勲がスタジオジブリで活動する以前の作品で培った技術やその思想を、あらためて見返す機会としたいとしている。高畑勲をテーマにした展覧会は、2019年に東京国立近代美術館をスタートに全国巡回した「高畑 勲 展 ―日本のアニメーションに遺したもの」が人気を呼んだが、それとはまた違った切り口が期待できそうだ。
麻布台ヒルズ ギャラリーは2023年にオープンした大型都市開発麻布台ヒルズ内に設けられている。同じエリアには森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレスや現代美術の商業ギャラリーPaceギャラリー、集英社マンガアートヘリテージなどもある。文化発信の拠点と位置付けられている。
麻布台ヒルズ ギャラリーは美術館仕様の設備で、これまでにオラファー・エリアソン展を皮切りに、アレクサンダー・カルダー展、ポケモン×工芸展と幅広いテーマを取り上げてきた。高畑勲展はそうした幅をさらに広げるものとなりそうだ。
本展覧会は会期終了後、秋からのフランス・パリの巡回も決まっている。グローバルで多くのファンに感銘を与えることになる。
「高畑勲展 ̶日本のアニメーションを作った男。」
2025年6月27日(金)-2025年9月15日(月・祝)
麻布台ヒルズ ギャラリー