1980年代から90年年代にかけて、子どもたちに大人気を博したギャグアニメ『おぼっちゃまくん』が、2024年に再び大きな注目を浴びている。
テレビ朝日は原作者の小林よしのり氏の協力を得て、およそ30年ぶりの新作シリーズをソニー・ピクチャーズ・ネットワークス・インディアと共同製作した。キッズ専門チャンネルの「SONY YAY!」にて、2025年春からインド全土で放送開始する予定だ。
『おぼっちゃまくん』は、小林よしのり氏が1986年から『月刊コロコロコミック』(小学館)で連載した人気マンガ。常識はずれの超大金持ちの跡取り息子の小学生・おぼっちゃまくんを主人公にしたギャグマンガで、はちゃめちゃな金満ぶりと茶魔語と呼ばれる独特な言葉遣いが当時の子どもたちに人気を呼んだ。1989年にはテレビアニメ化され、4年近くテレビ朝日系列で放送されている。
本作がインドのキッズチャンネルで放送されたところ、現地でも大人気となった。さらに作品を要望する声が高く、テレビ朝日が現地の放送局ソニー・ピクチャーズ・ネットワークス・インディアと手を組むことで新シリーズの製作が実現した。
新シリーズは11分のエピソードを2本合わせて22分の1話とする。これが26話で2クールの構成だ。旧作に引き続きテレビ朝日グループのシンエイ動画が脚本とキャラクターデザインなどの開発を手がけた。それをもとにインドのスタジオであるグリーン・ゴールド・アニメーション(Green Gold Animation)が、アニメーション制作をしている。
国際プロジェクトに相応しく、2024年10月21日にフランス・カンヌで開催された国際番組見本市MIPCOM 2024でワールドプレミア上映が行われた。10月30日から11月1日まで東京で開催された国際見本市TFFCOMでも、紹介がされている。
近年、日本アニメの放送や配信が世界に広まり人気を博すなかで、海外各国からのニーズに牽引されるかたちで、日本の旧作アニメがリブートするケースが増えている。多くは日本での新シリーズや再アニメ化、あるいは実写なども含めた海外への映像化権のライセンス販売となっている。
そのなかで今回の『おぼっちゃまくん』は、旧作の雰囲気をそのままに日本と現地との共同製作になっているのが特徴だ。さらに現在、未来の巨大市場としてアニメ関係者から注目を浴びるインドでの事業ということもあり、引き続き大きな関心を集めそうだ。