アニメ製作大手の東映アニメーションが、2025年3月期の連結決算業績予想を上方修正した。まず9月末までの第2四半期売上高を438億円から489億円と従来予想より11.9%引き上げた。
また営業利益は108億円から169億円、経常利益は110億円から170億円、純利益は81億円から122億円に変更した。それぞれ引き上げ幅は56.5%、54.5%、50.6%と50%を超え上げ幅が大きく、利益面での好調が際立った。これは業績修正の理由が主に国内・国外の配信権販売と版権事業が好調なためだ。権利事業は映像制作に較べてコストが低いため利益率が高くなっている。
第2四半期までの結果受けて、通期連結決算の見通しも修正している。好調は第3四半期以降も持続するとして、売上高を820億円から900億円に引き上げた。予想どおりに達成すれば、同社としては初の売上高900億円に到達する。2024年3月期を上回り過去最高を更新することになる。
営業利益は200億円から270億円、経常利益は205億円から275億円、当期純利益は150億円から195億円に変更した。引き上げ率は、いずれも30%台と第2四半期までの50%台よりも控えめだ。作品のヒットの有無に影響を受けやすいエンタテイメント業界の特徴を背景に、通期についてはやや保守的な見通しとしていると考えられる。業績予想段階では利益面では、過去最高の2023年3月期に及ばない。
第3四半期以降は、『ドラゴンボールDAIMA』の放送開始、映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』のブルーレイとDVD発売、『魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~』放送開始が主要な動向だ。そして家庭用ゲーム『ドラゴンボール Sparking! ZERO』の発売も、通期業績のポイントになりそうだ。