アニメ大手の東映アニメーションは、2024年1月29日に24年3月期第3四半期の決算を発表した。国内外のアニメ人気もあり、業績は引き続き好調だ。
業績発表に合せて、東映アニメーションはこれまで示していた通期業績予想を上方修正した。連携売上高の見通しを820億円から830億円に修正、営業利益は190億円から205億円、経常利益は200億円から215億円、当期純利益は135億円から155億円にそれぞれ引き上げた。
修正の理由は、前年度に公開した映画の波及効果が継続していること、さらに国内における配信権販売の好調が挙げられている。商品化権販売や商品販売事業も当初見込みを上回っている。作品から派生するビジネスが順調に拡大していると言ってよいだろう。
新しい業績予想でも連結売上高では前期の874億5700万円には及ばず、利益面でも前年を下回る。しかし業績予想を修正した一方で、第3四半期までで売上高の進捗率はすでに80%、営業利益の進捗率は86%を超えている。
東映アニメーションでは第3四半期から第4四半期にかけて劇場映画で『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』が予想を超えるヒットになっている。またアニメーション制作会社の売上は期末に拡大する傾向もある。今後の状況次第では、最終的な業績はさらに変わってくる可能性もありそうだ。
また1月29日には、東映アニメーションは株式分割も発表した。2024年3月31日付で、株主が保有する1株を5株に分割する。
好調な業績を背景に東映アニメーションの株価は2015年以降継続的に上昇を続けており、直近では1株2000円を超えることもある。最低単位の売買金額も200万円ほどになっている。株式分割後はこれが40万円程度まで下がることが期待される。手頃な株価で、株式の流動性の向上を期待することになる。