テレビ東京ホールディングスの業績のなかで、アニメや配信といったライツ部門の存在感が高まっている。2023年11月9日に発表された同社の2024年3月期第2四半期の連結決算は、全体で減収減益となった。売上高は519億9700万円(2.7%減)、営業利益が14億9600万円(57.3%減)、経常利益は34億3100万円(46.9%減)、純利益は44億9100万円(30.4%減)である。
一方でグループ全体の中のアニメ・配信セグメント売上高は203億8300万円と2.5%増、また営業利益は25億2400万円の4.3%増と増収増益となった。売上の4割近くがアニメ・配信事業からもたらされ、利益のかなりをカバーしている。
アニメ・配信部門のうち、テレビ東京のライツ事業(アニメ)の売上が100億7200万円、同(配信)売上が48億9400万円。さらに音楽出版関連のテレビ東京ミュージックが20億8100万円、エー・ティー・エックスが16億1600万円だ。
テレビ東京ミュージックではアニメ『SPY×FAMILY』のテーマ曲、THE SUPER FRUITのほか、欧米でのアニメBGMや楽曲の海外印税収入が好調だったとしている。エー・ティー・エックスは、アニメ専門チャンネル「AT-X」の加入者数が続いて減収だったが、『東京リベンジャーズ』と『Re:ゼロから始める異世界生活』のライツ収入が好調だった。
テレビ東京のアニメ売上高は引き続き海外が大きく、全体の80.4%を占める。このうち最大だったのが全体の4割近くを占める北米、3割弱の中国が続き、ヨーロッパは約16%、またアジア・中東などが16%を超えている。
個別タイトルでは『NARUTO』、『BORUTO』、『BLEACH』、『遊戯王』、『ポケットモンスター』が大きい。今期は『BLEACH 千年血戦篇』のゲームが世界的なヒットになった。また中国では『BORUTO』のアプリゲーム、ヨーロッパでは『NARUTO』の商品化が堅調だった。
アニメ以外の配信事業も成長している。売上高48億9400万円は前年同期比6.0%増、こちらも存在感を増してる。売上高は全体の9割以上が国内で『さらば、佳き日』、『やわ男とカタ子』、『隣の男はよく食べる』がヒット作。映画は『チェリまほ THE MOVIE~30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい~』が好調だ。
テレビ東京HDでは、今後も独自のコンテンツを通じた放送事業の収益確保、アニメ事業の海外展開を一段と進めるとしている。また中国市場に加え、東南アジアや欧米でのアニメ作品の配信や商品化も加速する。ドラマでも海外展開を進める。アジア地域がまず目先で展開推進する地域になりそうだ。