KADOKAWA第2四半期、【推しの子】好調で映像事業は増収増益

ファイナンス決算

 エンタテイメント大手のKADOKAWAは、2023年11月2日に2024年3月期第2四半期の決算を発表した。前期はゲーム事業での『ELDEN RING』のヒットなどで大きく業績を伸ばしたが、今期は業績面では一段落となった。
 第2四半期までの連結売上高は1242億円(1.3%増)とほぼ前期同期と同じであった。また営業利益は86億400万円(35%減)、経常利益93億8900万円(44.4%減)、当期純利益は(60.8%減)と利益面での落ち込みが目立った。
 出版事業で原価上昇やデジタル投資が増加があったほか、ゲーム事業では『ELDEN RING』大ヒットの反動があった。このほかWebサービス事業、教育・EdTech事業も前年同期比で減益だった。

 そうしたなかで映像事業は増収増益と好調だった。売上高が220億3200万円と16.2%増加したほか、営業利益は前年同期の6000万円から25億400万円に急伸した。
 特にアニメが売上高でおよそ18%の高い成長になっている。国内と海外の両方で、配信向けやゲーム・グッズ向けのライセンス収入が好調だ。また『【推しの子】』がヒットしており、ライセンス収入で貢献している。実写は前年にあった評価損計上がなくなったほか、『わたしの幸せな結婚』の劇場収入と二次利用収入が売上高につながっている。
 また第2四半期には、アニメ制作スタジオ「レイジングブル」が新しくグループに加わった。ENGI、キネマシトラス、Studio KADANと共にアニメ映像制作を支えることになる。

 出版事業は売上高663億1200万円(0.3%増)、営業利益が32億5500万円(43.2%減)であった。紙書籍、雑誌は国内売上が8%減少。海外はアジアが26%成長したが、米国は近年のブームの反動で書店の発注抑制と返品の増加があった。電子書籍は5.2%増で、メディアミックス作品を中心に自社ストアも含めて成長している。
 ゲーム事業は売上高136億7000万円(20.2%減)、営業利益40億2800万円(46.9%減)と大幅減収減益。『ARMORED CORE Ⅵ FIRES OF RUBICON』や『超探偵事件簿 レインコード』のヒットはあったが、『ELDEN RING』の反動が上回った。

 ニコニコを中心とするWebサービス事業は、売上高110億円(4.7%減)、営業利益6億4800万円(31.1%減)の減収減益。引き続き動画配信サービス「ニコニコ」の月額有料会員が減少している。またITインフラ投資を続けており、費用が嵩んでいる。
 教育・EdTech事業は売上高67億200万円(7.0%増)、営業利益11億6700万円(11.4%減)と増収減益だ。こちらも2024年の「KADOKAWAアニメ・声優アカデミー」 「KADOKAWAマンガアカデミー」開校に向けた積極投資が理由だ。

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