ハピネット、米国独立系映画会社「A24」とパートナーシップ契約 自社映画の北米配給も視野

提携

 ハピネットグループの映画事業会社ハピネットファントム・スタジオは、米国ニューヨークに拠点も持つ独立系映画スタジオ A24 Films LLCと独占パートナーシップ契約を締結することで合意した。この契約によりハピネットファントム・スタジオは、A24が製作し、世界配給権を持つ新作映画の日本国内配給を独占的に手がけることになる。
 ハピネットは玩具やゲーム、音楽・映像商品の中間流通の大手として長年知られている。現在はエンタテインメント分野で多角化を進めている。2021年に映像関連事業を統合し、映像企画・製作・買付・配給・販売のハピネットファントム・スタジオを設立した。

 ハピネットファントム・スタジオは、これまでもA24と『ムーンライト』や『ミッドサマー』などといった話題作で協力してきた。パートナーシップ契約はこうした関係をより深めるもので、今後はA24のクオリティの高い話題作を安定的に確保し、作品の日本でのビジネスを一手に引き受ける。
 A24の今後の作品には、ザック・エフロンとジェレミー・アレン・ホワイトが出演する『The Iron Claw』、ニコラス・ケイジ主演の『Dream Scenario』、オーランド・ブルームとピート・デヴィッドソンが出演する『Wizards!』などが予定されている。ハピネットファントム・スタジオの映像事業の強化につながりそうだ。

 A24は2012年に設立された新興映画企業だが、個性豊かな作品群で、いま米国で大きな注目を集めている。最も勢いのある独立系映画会社とみなされている。
 今年の米国アカデミー賞で作品賞をはじめ多数の受賞をした『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』や、実写とストップモーションを組み合わせた表現が絶賛されたアニメーション『マルセル 靴をはいた小さな貝』などもA24の作品だ。そのライブラリーは映画だけで110本以上、テレビシリーズは30タイトル以上にもなる。

 ハピネットファントム・スタジオは今回のパートナーシップを受けて、新レーベルを立ち上げてA24作品を手掛けることを検討している。それにより映画のグッズ等、A24ブランドのマーチャンダイジングへの拡大を目指す。A24はハピネットファントム・スタジオの持つ事業を通じて、劇場配給や宣伝だけでなく、配信やテレビ放送販売、パッケージ流通などの二次利用までの幅広い事業を期待する。
 また将来的に、ハピネットファントム・スタジオはA24との合作映画製作や自社が手掛ける日本映画のA24配給による北米そして世界展開にも期待する。日本と米国を結ぶ新しいクリエイターとの協業、シナジーを目指す。

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