ソニー・ピクチャーズの映像パッケージ制作・販売事業 ハピネットに移管

ソニー・ピクチャー/ハピネット

 ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントは、自社が取り扱う全映像作品のビデオグラム(DVD、ブルーレイ)の制作と販売をハピネットに委託する。2024年3月22日、ソニー・ピクチャーズは、ハピネットの子会社ハピネット・メディアマーケティングと映像パッケージの制作及び販売における包括ライセンス契約締結で合意したと発表した。
 この契約ではハピネット・メディアマーケティングはソニー・ピクチャーズがビデオグラム化権を保有するすべての作品について、映像パッケージの制作と販売をする。2024年5月1日より、スタートする。

 ソニー・ピクチャーズは、米国ハリウッドの大手映画会社の一角で「スパイダーマン」や「バイオハザード」、「ゴーストバスターズ」といった人気シリーズを数多く製作している。邦画でも『キングダム』といった大ヒット作がある。
 そうした作品の制作や販売を含む映像パッケージ事業は、これまでは自社が行ってきた。今回の包括ライセンス契約は、このうち制作と販売を全面的に外部企業に移管することになる。大手映画会社としては、かなり大胆な決断だ。
 ソニーグループは米国では逆に2021年にライオンズゲートから、2024年2月にウォルト・ディズニーから映像パッケージの販売事業の譲渡を受けている。日本と米国で受ける側、委託する側と反対のことが起きている。

 これは世界的にDVD、ブルーレイのマーケットが縮小傾向にあることと関係があるとみてよいだろう。小さくなった市場でその事業を得意とする企業に業務を集中することで効率化し、利益を確保する。米国では有力企業であるソニーグループにそれが集まり、逆にソニー・ピクチャーズの事業が小さな日本では他社にそれを委託するわけだ。国内では同じグループ会社のソニーミュージックにも、アニメを中心に映像パッケージ事業があり、ソニー・ピクチャーズのパッケージ業務は比較的小さいとの理由もある。
 ハピネットは、玩具や映像・音楽ソフト、ビデオゲーム、アミューズメント関連商品などの流通大手。映画やアニメの企画・製作もするが、流通と販売と直結しているのが強みだ。ソニー・ピクチャーズはパッケージ制作や販売を他社に預けることで、映画配給や配信に集中出来る。ハピネットはタイトル数を増やすことで、効率化により損益分岐点を下げることが可能になる。ソニー・ピクチャーズは両社の関係を強化することで、良質な作品をより多くの人に届けることが出来るとしている。

『スパイダーマン』シリーズ
(C) 2021 Columbia Pictures Industries, Inc. and Marvel Characters, Inc. All Rights Reserved. MARVEL and all related character names: (C) & (TM) 2022 MARVEL

『スパイダーマン』シリーズ
(C) 2021 Columbia Pictures Industries, Inc. and Marvel Characters, Inc. All Rights Reserved. MARVEL and all related character names: (C) & (TM) 2022 MARVEL

『バイオハザード』シリーズ
(C) 2023 CAPCOM / DEATH ISLAND FILM PARTNERS ALL RIGHTS RESERVED.

『バイオハザード』シリーズ
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